仏像に会う

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 福島民友新聞創刊 120周年を記念した特別展「飛騨の円空―千光寺とその周辺の足跡」は27日開幕する。江戸時代に各地を行脚し多くの仏像を彫り上げた僧円空。今回は千光 寺(岐阜県高山市)所蔵の仏像約60体を中心に約100体を一挙展示、木の仏たちが被災地・福島の人々との出会いを待つ。代表作の中から、いくつかを紹介 する。

 円空 美濃(現在の岐阜県)に生ま れ、17世紀後半に北海道から近畿までの諸国を巡り、滞在した村々に仏像を残した。現存する円空仏は約5000体を超え、岐阜県や隣接する愛知県に集中し ている。伐採した木を断ち割り、丸彫りした仏像の口元に微笑を浮かべる姿は慈愛に満ち、見る人の心を癒やす。

◆円空展メモ

■会期 1月27日~4月5日
■会場 福島市・県立美術館
■主催 実行委員会(県立美術館、福島民友新聞社、飛騨千光寺)
■前売り券 一般・大学生800円(当日券は一般千円、大学生900円)、高校生以下無料
■前売り販売 県立美術館、チケットぴあ、ローソンチケット、中合福島店、うすい百貨店、福島民友販売店、福島民友新聞社(本社、各支社・支局で平日午前10時~午後5時)
■問い合わせ 福島民友新聞社「飛騨の円空展」係(電話024・523・1248、平日午前10時~午後5時)へ。
仏像に会う

大森旭亭筆、江戸時代・1805(文化2)年、千光寺


(8)円空像(えんくうぞう)


 円空は岐阜県関市にあったとされる弥勒寺を再興、この地で没した。この寺にあった肖像画を大森旭亭が模写し、千光寺に伝わる。角顔でえらが張り、歯は何 本か抜け落ちたのか、まばらだ。原本はその後、焼失し、貴重な模写が在りし日の姿を伝える。(おわり)
(2015年1月26日 仏像に会う)

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江戸時代・17世紀、千光寺


(7)賓頭盧尊者坐(びんずるそんじゃざぞう)


 釈迦の優れた弟子・十六羅漢の中でも第一に数えられるのが賓頭盧尊者(びんずるそんじゃ)で、日本では「なで仏」として親しまれる。円空の作品も頭や体 につやがあり、人々がなでて病の治癒を願ったと思われる。わずかに首をかしげ笑みを浮かべ、見る人を癒やす。高さ約47センチ。
(2015年1月25日 仏像に会う)

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江戸時代・17世紀、東山白山神社


(6)如意輪観音菩薩坐像(にょいりんかんのんぼさつざぞう)


 六観音の一つとして人々の願いをかなえる如意輪観音は、腕が6本ある像が多いが、円空は2本として彫った。右ひざを立てて右手をほおに添え、思案のポー ズを取るものの、どことなくほほ笑んで見えるのが印象的。地面に着ける左手は見えない。高さ約75センチ。
(2015年1月24日 仏像に会う)

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江戸時代・17世紀、清峰寺


(5)千手観音菩薩立像(せんじゅかんのんぼさつりゅうぞう)


 正面には合掌する両手と宝鉢を載せる両手。さらに右腕の側に20本、左腕側に14本の手が並ぶ。左腕の側には6本が失われた跡も残るという。顔は頭上の 1段目にも七つ、頭頂にも一つ。清峰寺の千手観音は腰の前に僧形の像があるのも特徴だ。高さ114センチ。
(2015年1月23日 仏像に会う)

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江戸時代・17世紀、千光寺


(4)不動明王像(ふどうみょうおうぞう)と二童子立像(にどうじりゅうぞう)


 1本の木を縦に3本に断ち割って彫った。高さ95.8センチで中央にある不動明王は両眼を見開き、閉じた口から2本の牙がのぞく。向かって左側の制〓● 童子(せいたかどうじ)は「性悪」を、同右側の矜羯羅童子(こんがらどうじ)は「小心」を表すとされるが、それぞれ個性的な表情が刻まれている。

(〓は土ヘンに宅のカンムリが無いもの。読みが(た))(●は(迦)でよみが(か))
(2015年1月22日 仏像に会う)

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部分、江戸時代・17世紀、千光寺


(3)三十三観音立像
  (さんじゅうさんかんのんりゅうぞう) 


 残っているのは31体。近隣の人々が病気になると、借り出しては回復を祈ったと伝えられ、戻らないこともあったという。針葉樹を断ち割って彫った観音像 は一見、粗削りだが、その表情は慈しみ深い母のようであり、人気があったようだ。高さ61~82センチ。
(2015年1月21日 仏像に会う)

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江戸時代・17世紀、千光寺

(2)金剛力士(仁王)立像吽形
  (こんごうりきし(におう)りゅうぞううんぎょう) 


 円空は千光寺の住職と意気投合して長く滞在し、境内にあった2本の大木に、それぞれ立ち木のまま仁王像を彫ったとされる。その後、根が腐ったため切断さ れ、「阿」「吽」の2体として残る。吽形は右腕こそ朽ちて失われたが、表情は鮮明。高さ226センチ。
(2015年1月20日 仏像に会う)

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江戸時代・17世紀、千光寺

(1)両面宿儺坐像(りょうめんすくなざぞう)


 両面宿儺(りょうめんすくな)は「日本書紀」に登場し、一つの体に二つの顔があってそれぞれ反対を向き、4本の手で弓矢を使ったとされる。大和朝廷に従 わなかった飛騨の豪族、開拓者とみられており、円空はオノを手に親しみやすい表情の両面宿儺を彫った。高さ86.9センチ。
(2015年1月19日 仏像に会う)