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飛騨千光寺住職大下大圓さんに聞く (下) インタビュー ()・()・(
円空の祈り
 
月空の祈り
自らの生き方 考えて

 ◆聞き手 編集局次長 小野広司

 ―今回の円空展は、東日本大震災復興支援を掲げた。県民は震災と原発事故の後、いろいろな思いでこの4年間を過ごしてきた。大下住職も震災後、県内を訪れているが。
 「東北の被災3県には震災後50回近く訪れている。2012(平成24)年からは京都大の復興プロジェクトに加わり川内村を年に4〜5回訪れ、人々と話すなど心のケアを担当した。プロジェクトは終わったが、訪問は今も続いている。南相馬市も訪れた。そこには自ら立ち上がっている人もいれば、なかなか立ち上がれない人たちもいる」

 ―被災者が円空仏と出会うことで、どんなことが生まれるだろう。
 「円空展を一昨年、東京で開いたのも、被災地の人たちを応援するため。円空はあの時代、東北を回り同じように自然災害や貧困で苦しんでいる人たちと語り合い、仏像を彫った。その円空の力を借り、少しでも被災地の人たちに、癒やしや祈りを届けたいと思った。福島からも誘いを受け、二つ返事で引き受けた」

 ―あらためて円空展は、どう見て、どう楽しんだらいいか。
 「先入観を持たず、円空仏から出るパワーを味わってほしい。円空を研究する人たちの視点は、仏教、民俗学、美術、哲学などさまざま。いろいろな角度から見て面白い。円空は、その人の見方に合わせて語ってくれる」

 ―一昨年の東京開催では若い人の来場も多かった。
 「年齢も関係ない。『迫力がある』『やさしい』とか『すごいね』と、感嘆符付きで語ってもらえればいい。構えずに、『どんなメッセージがもらえるだろう』『円空さんに会いに来る』という感じ」

 ―最後に県民にメッセージを。
 「円空は、自分の負の部分を、生きる中で仏像を彫る力に変えていった。私は、その円空の力を借り、福島の人たちに、自分の中にある人間力を見直していただきたいと思う。福島の人たちが『円空さん』に会って何かを感じ、人生をどうやって生きようか―と考えてもらう機会になればいい」
 洗練された仏像とは対極的だが、身近で親しみを覚えた。和やかな表情に心が癒やされた。円空に焦点が当てられなければ埋没していたかもしれない貴重な作品を見られて良かった。
(2015年1月31日 円空の祈り)
 《題字は千光寺住職の大下大圓氏》
 


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