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女優 大空真弓さんに聞く 
円空の祈り
円空の祈り
円空作「護法神立像」(部分、江戸時代・17世紀)=千光寺 
 
円空の祈り
笑っている全ての顔 

 女優の大空真弓さんは、63体の円空仏を所蔵する千光寺(岐阜県高山市)の大下大圓住職と親交が深く、円空が庶民のために彫った仏像の姿に特別な感情を抱く。その思いなどを聞いた。
 (聞き手 報道部・渡辺哲也)

 ―円空仏との出会いは。
 「何十年も前の話だが、俳優の金田龍之介さんが三越で円空の芝居をやっていた時に、千光寺の大下大圓さんと出会った。大圓さんが俳優の山本学さんにとても似ていたので思わず笑ってしまい、そのことをわびた時から親交が始まった。懐が深く、何でも受け入れる大きさが大圓さんにはあった。出会いから間もなくして偶然、高山市で仕事をする機会があり、千光寺に伺った。木々のいいにおいがする素晴らしい寺だった。円空仏を見た時、木のぬくもりや素朴さから円空さんの心の温かさを感じた。円空さんが(幼い時に長良川の洪水で亡くなったとされる)母親のことを思い彫った仏像もあり、その思いを感じた」

 ―円空仏の魅力は。円空仏を見た人に感じてほしいものとは何か。
 「全ての顔が笑っていて、怒っている顔がない。相対していると、思わず私の顔にも笑みが浮かんでくる。私は円空仏のレプリカを自宅に持っていて、さまざまな魅力を感じている。人それぞれに感じ方があると思うが、円空さんの思いや飛騨高山の空気を感じてもらいたい」

 ―円空展は震災復興支援として開かれる。被災した県民へのメッセージを。
 「現実に自分の身に起こっていないことに対する風化というものは、誰にでもあるかもしれないが、これだけ悲惨な出来事を忘れることはできない。『3・11』は雪が降っていたので、私は雪を見るとあの日を思い出す。被災した方々の粘り強さや忍耐力は人間としてとても大事なことだが、時には我慢しすぎず、辛抱せず、ぶつけてほしい。人生は長いようで短い。だからこそ、時を大事にしてもらいたい」

(この企画は随時掲載します)
  
 おおぞら・まゆみ 東京都出身。1958(昭和33)年、映画「坊ちゃん天国」でデビュー。64年に主演したテレビドラマ「愛と死をみつめて」のヒットを機にお茶の間の人気を集めた。その後、がんと闘いながらも、舞台やテレビなどで幅広い活躍を続ける。74歳。

◆円空展メモ

■会期 1月27日〜4月5日
■会場 福島市・県立美術館
■主催 実行委員会(県立美術館、福島民友新聞社、飛騨千光寺)
■前売り券 一般・大学生800円(当日券は一般千円、大学生900円)、高校生以下無料
■前売り販売 県立美術館、チケットぴあ、ローソンチケット、中合福島店、うすい百貨店、福島民友販売店、福島民友新聞社(本社、各支社・支局で平日午前10時〜午後5時)
■問い合わせ 福島民友新聞社「飛騨の円空展」係(電話024・523・1248、平日午前10時〜午後5時)へ。
(2015年1月18日 円空の祈り) 
《題字は千光寺住職の大下大圓氏》
 


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