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俳優 滝田栄さんに聞く (下) インタビュー ()・()・(
円空の祈り
不動明王を彫る滝田さん
円空の祈り
円空作「菩薩立像(神像)」(部分、江戸時代・17世紀)=千光寺
 
円空の祈り
運慶や快慶を超える 

 ◆聞き手 文化部長・鈴木博幸

 ―震災の大津波の犠牲者のために2013(平成25)年、宮城県気仙沼市に地蔵堂を建立した経緯は。
 「気仙沼市の友人と連絡を取り合う中で、何とか復興をしなければと思い、できることは全部やろうと思っていた。また津波は来るかもしれないが、この悲劇を二度と繰り返してはいけないと思った。人間は失敗を繰り返すが、一番優しく面倒を見てくれて、導いてくれるのがお地蔵様。高さ1・3メートルのクスノキの角材を一生懸命に彫った」

 ―何を思って仏像を彫ったのか。
 「親交のある薬師寺の山田法胤管主、村上太胤副住職が、かんなくずが散乱する長野県の私の作業場に来て、何を彫っているのかと聞かれた。『震災で亡くなった人たちのためにお地蔵様を彫っている。生き残った人たちが生きられる出発点のために彫っている』と伝えたら、山田管主が全身を投げ出し、かんなくずに頭を付けて『この地蔵菩薩を通して亡くなられた方々が成仏供養されますように、また生き残られた方々がよりよい未来を描けるように』と祈ってくれた。そのことに感動して、火が付いたように彫った」

 ―仏像を彫る立場から、円空仏の魅力を伺いたい。
 「円空は木々の破片に目などを付けただけの『木っ端仏』も彫り、言葉も知らない、字も読めない人に手渡した。惜しみなくあげた。木っ端仏などはあちこちで子どもたちの遊び相手にもなった。今でも、子どもたちが川に投げて石でこすれ、顔が無くなっているものが残っている。その時代の庶民のために彫られた仏像であり、運慶や快慶を超える表現にも思える」

 ―円空仏からは、何を感じるのか。
 「円空仏の目や口元を見ると本当に優しい。心の優しさ、永久の平和への願いを示していると思う。こんなに優しい人がいたらと思うと、うれしくなる。溶けてしまうような気持ちになる。『仏様とは何であろうか』と疑問に思ったならば、その疑問を円空仏から見つけてほしい」

◆円空展メモ

■会期 1月27日〜4月5日
■会場 福島市・県立美術館
■主催 実行委員会(県立美術館、福島民友新聞社、飛騨千光寺)
■前売り券 一般・大学生800円(当日券は一般千円、大学生900円)、高校生以下無料
■前売り販売 県立美術館、チケットぴあ、ローソンチケット、中合福島店、うすい百貨店、福島民友販売店、福島民友新聞社(本社、各支社・支局で平日午前10時〜午後5時)
■問い合わせ 福島民友新聞社「飛騨の円空展」係(電話024・523・1248、平日午前10時〜午後5時)へ。
(2015年1月15日 円空の祈り) 
《題字は千光寺住職の大下大圓氏》
 


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