円空の生き方や思想語る 飛騨千光寺・大下住職が講演

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円空の生き方や思想語る 飛騨千光寺・大下住職が講演

円空の生き方や思想について語る大下住職

 福島市の県立美術館で開催中の福島民友新聞創刊120周年記念事業・東日本大震災復興支援特別展「飛騨の円空--千光寺とその周辺の足跡」(4月5日まで)に合わせた記念講演会が8日、同美術館講堂で開かれ、飛騨千光寺(岐阜県高山市)の大下大圓住職が「飛騨人と円空の祈り」と題して講演、満員の聴衆が円空の生き方や思想を学んだ。

 今回の特別展では、同寺収蔵の約60点など円空の代表作約100点を展示している。大下住職は、作品からにじみ出る円空の思想について、仏教が伝来する以前の日本の基層思想や文化を重視しつつ、当時の神仏混交の日本的宗教観を体現していると指摘した。また、「日本が1300年かけて培ってきたのは『和』、つまり『仲直りする過程』を重視するということ。円空さんがそのことを教えてくれる」と、現代的な意義についても解説した。

◆講演要旨 

 仏像はもともと石や土、粘土で作られ、日本に伝わった後もそうだったが、日本では特に、木に仏様を彫るという文化が根付いた。背景にあるのは、木そのものに命があるという宗教観。仏像を彫ることで、木の命と仏の命がつながる。円空さんは仏教の坊さんでありながら、日本的な宗教観を体現した人だったと思う。

 円空さんの彫刻の芸術性については、「魔術的」「三角形を基本にしたむき出しの生命力」「古典的伝統を否定するような仏像彫刻の構造」などが指摘される。作品の中でも、両面宿儺坐像(りょうめんすくなざぞう)には特別な思いが託されているようだ。日本書紀で描かれる両面宿儺は中央から見た「朝敵」だが、飛騨の人々はあがめた。円空さんは木を切るマサカリを手に持たせ、飛騨を開拓した「守り神」として表現した。特別展には子どもたちもたくさん来てくれていると聞く。円空さんの大切な部分が子どもたちに伝わっていくことを願っています。