富岡町民ら感動 震災の姿を重ね合わせ 郡山公演

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富岡町民ら感動 震災の姿を重ね合わせ 郡山公演

災害に見舞われながらも懸命に生きる県民の姿を描いた「ノクターン夜想曲」の一場面=3日午後、郡山市民文化センター(矢内靖史)

 脚本家倉本聰さんが震災と原発事故で被災した本県を舞台に書き下ろした演劇「ノクターン―夜想曲」は3日、郡山市民文化センターで公演された。災害を乗り越えようと懸命に生きる県民を描いた舞台に、観衆が自らの姿を重ね合わせた。

 福島民友新聞社が創刊120周年記念事業として開催する県内4会場公演の第2弾で、倉本さんが主宰する演劇集団「富良野GROUP(グループ)」のメンバーが演じた。作品の主要な舞台となった富岡町から郡山市で避難生活を送る町民らも訪れ、舞台を通じて原発事故で帰還できない故郷に思いをはせた。

 「懐かしいね」。劇中には、震災による津波で被災したJR富岡駅や帰還困難区域に指定されている夜の森地区の桜など富岡町の情景が数多く登場した。ホール内に響くなじみ深い古里の地名に、客席の町民は目に涙を浮かべ、舞台上の俳優たちに感情移入した。

なじみ深い地名に涙

なじみ深い地名に涙

開演前、チラシに目を通す小林さん(奥)と遠藤さん。「古里の地名が読み上げられ、こみ上げるものがあった」と口をそろえた

 同市には町が役場機能を置き、多くの町民が仮設住宅や借り上げ住宅などで生活している。会場に足を運んだ小林留美子さん(70)と遠藤友子さん(69)は「この劇は私たちそのもの」と口をそろえた。震災後、避難所となったビッグパレットふくしまで知り合った2人は、互いに励まし合いながら避難所生活を送った。

 「古里の地名が読み上げられたときは、こみ上げるものがあった」と小林さん。「全国で公演し、他県の人にも見てほしい」と希望した。遠藤さんは、倉本さんからサインをもらい、「体に気を付けて頑張ってください」と声を掛けられたという。「避難者のことを良く表現してくれた。人の手でコントロールできないものをエネルギーにすることをよく考えなければいけない」と感想を語った。

 あすはいわき公演

 郡山市公演に続くいわき市公演は5日午後6時30分から、いわき芸術文化交流館「アリオス」で開かれる。全席完売しており、当日券の販売は行わない。