昭和女子大学長 坂東眞理子さんに聞く

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「悩みはちょっと横に置いてみて」と話す坂東さん

 試練として成長の糧に 

 福島民友新聞社が創刊120周年記念事業として4月25日、福島市音楽堂で開く「薬師寺まほろば塾・福島塾」で、ベストセラー「女性の品格」の著者として知られる昭和女子大学長の坂東眞理子さんが講演する。被災地の県民に伝えたい思いを聞いた。(聞き手・編集局次長 小野広司)

 --薬師寺まほろば塾は日本の美しい心を広く伝える運動だが、関わりは。

 「10年ほど前、薬師寺の山田法胤(ほういん)管長と知り合い、薬師寺や東京で開かれたまほろば塾で講話した」

 --震災後の福島の状況をどのように見てきたか。

 「2年ほど前に双葉町民が避難する埼玉県加須市の旧騎西高を訪れた。自立できない高齢者が残り、理不尽な状況に置かれて、気持ちがすっきりしないのだろうと感じた」

 --放射線の不安を抱える県内の母親たちはこの4年間、悩みを深めている。

 「全ての母親が、子どもに最良な環境を与えたいと願っている。原発事故で最良な環境を与えられずに、自分を責める人が多いと思う。でも、子どもは完全な環境ではなくても、自分の試練として受け止め、成長していくと期待したい。気持ちを切り替え、子どもとどう向き合っていくかを福島塾では提案したい」

 --自立や自律をしたくても、できない被災者がいる。

 「自分の心はなかなかコントロールできないが、自分の生活はコントロールできる。例えば朝何時に起きると決め、まず1日やってみる。2日目にできなければ、その時はやり直す。それが自立につながる」

 --放射線不安の背景に放射線教育の不十分さがある。教育者としてどう思う。

 「短期的に問題ないが、長期的には分からないというと不安になる。今、科学で分かること、分からないことがどこまでかと論理的に考える訓練は、小、中学校から必要だ」

 --福島で伝えたい思いは。

 「原発事故のように大きな悩みは逃げ道がない。ならば、その悩みをちょっと横に置き、今やるべきことに集中する。すると、別の見方ができるようになる。私たちも、できることを一生懸命やって、福島を応援していきたい」

 ばんどう・まりこ 富山県出身。東大卒。総理府(当時)に入り婦人問題、男女共同参画を担当、2児の母として仕事と子育ての両立を実践した。埼玉県副知事、在豪州ブリスベン総領事などを経て内閣府男女共同参画局長などを歴任。退官後は昭和女子大教授を務め、2007年から学長。女性の生き方に関わる著書も多数ある。68歳。

 薬師寺まほろば塾・福島塾メモ 

■日時 4月25日(土)午後1時

■会場 福島市音楽堂

■内容 山田法胤薬師寺管長の法話、坂東眞理子昭和女子大学長の講演、声明公演(大震災復興祈願)

■参加費 1000円(大学生以下無料)

■問い合わせ 福島民友新聞社事業局(電話024・523・1334)