大谷徹奘執事に「声明」を聞く

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大谷徹奘執事に「声明」を聞く

「声明」を語る大谷氏

 エネルギーを感じ取って

 福島民友新聞社が創刊120周年記念事業として25日に福島市音楽堂で開く「薬師寺まほろば塾・福島塾」は、大震災復興祈願の「声明(しょうみょう)」の公演が注目を集める。音楽性の高さから僧侶たちによる合唱にもたとえられる声明の見所について、薬師寺の大谷徹奘(てつじょう)執事に聞いた。(聞き手・編集局次長 小野広司)

 --声明の特徴は。

 「お経というと、亡くなった人を追悼するイメージがあるが、薬師寺は僧を養成する学校で、檀家を持たず葬儀も行わない。お経は、生きている人が、より良く生きていくためのものという意味合いが強い」

 --哲学的で前向きだ。「修二会(しゅにえ)」という法要の形をとると聞くが、どのような内容か。

 「(法要を取り仕切る僧の)大導師や時導師らがそれぞれの役回りを務める。最初は仏様への言葉を繰り返し唱え、最後には五穀豊穣(ほうじょう)などを願う。高校野球の応援団のように声を出し体を大きく動かす。1300年以上の歴史を持つが、数人の僧による合唱のようであり、リズミカルでうねりがあり、見る人も思わず一緒に唱えたりもする」

 --まるでライブコンサートのようだ。

 「一般の人は『これがお経なのか』と驚くだろう。僧たちは仏の名を次々と唱えて輪唱になり、次第に気持ちが高まり、最後には『南無薬師瑠璃光如来(なむやくしるりこうにょらい)』と唱えられなくなって『南無薬、南無薬』と続けて叫ぶようになる。一番の見せ場であり、エネルギーをためて『頑張りたい』『幸せになりますように』という感じが伝わる」

 --震災被災3県で今回、声明公演があるのは本県のみと聞いた。県民に伝えたいことは。

 「福島は放射能の問題でほかの被災県に比べ『希望の矛先』が見えにくくなっている。しかし、私が被災者と代わることはできず、『命を無駄にしない生き方をしてほしい』としか言えない。宗教は『救い』のようにいわれるが、私が修行を通じて気付いたのは(周りの人がいくら支えてくれても)『自分がやるしかない』ということ。そのときにエネルギーがなければ前に進めない。お経に浸って、そのエネルギーを感じ取ってほしい」

 おおたに・てつじょう 東京都出身、龍谷大文学部卒。薬師寺管長を務めた故高田好胤氏に17歳で師事、同寺の僧侶になる。2003(平成15)年に同寺執事に就任。震災後は被災地支援を展開している。51歳。

 薬師寺まほろば塾・福島塾メモ 

■日時 4月25日(土)午後1時

■会場 福島市音楽堂

■内容 山田法胤薬師寺管長の法話、坂東眞理子昭和女子大学長の講演、声明公演(大震災復興祈願)

■参加費 1000円(大学生以下無料)

■問い合わせ 福島民友新聞社事業局(電話024・523・1334)