和合亮一氏のテーマとなる詩(9月、10月、11月)

9月 「裸足で」 10月 「実り」 11月 「収穫に」

ときには
裸足になって


草のうえに
立ちたい


 足の底で
 野原の
 息を
 感じたい

 皮膚で
 土の
 悲しみを
 いたわりたい


 肌で
 ふるさとを
 いつまでも
 祈りたい


ここで
生まれたから


ここに
生まれたから

新しい
りんごを
剥いていると


考えてしまう


どうして 
僕と
あなたが


この世界で
じっと
向き合っているのか


 ほんとうの幸福
 それは何


 人を思いやるって
 どんなことなのか


 一個の
 季節の
 実りを
 剥いている


日本の
世界の
宇宙の
真ん中で


あなたと
息を止めて

秋の実りに
私たちは
祈る
生きている
その意味
そのものに
手を合わせている
両手だけが
知っている


だから
今日も
生きる
そのことの
真中に
あるもの


それ
そのものに
手を
合わせたい


私たちは
祈る
秋が
実る