民友マンガ大賞に郡山の渡部さん 絵手紙金賞は福島の渡辺さん

 
マンガ大賞に輝いた渡部さんの「凧揚げとドローン」

 第33回「民友マンガ大賞」(福島民友新聞社主催、日本漫画家協会東北支部後援)の入賞作品が決まりました。今回のテーマはマンガ部門が「二刀流」、20回目となった絵手紙部門は「あったか」、昨年設けた似顔絵部門は著名人が対象。3部門とも多数の力作が寄せられました。審査結果は【一覧】の通り。マンガ大賞には郡山市の渡部義勝さん(67)=写真=の作品「凧(たこ)揚げとドローン」が選ばれました。表彰式は来年1月26日、福島市の福島民友新聞社本社で行われます。

【マンガ大賞】(大トロフィー、賞金10万円)
 「凧揚げとドローン」
渡部義勝(67)=郡山市
【マンガ部門】
◇金賞(盾、賞金3万円)
 「ほめられない二刀流」
鈴木拓也(22)=須賀川市
◇銀賞(盾、賞金2万円)
 「ふくしまのえんぎモノ2頭流」
寺島明美(31)=福島市
◇銅賞(盾、賞金1万円)
 「高速宿題」
関本創(8)=会津美里町
【絵手紙部門】
◇金賞(盾、賞金3万円)
 「湯たんぽ」
渡辺静子(81)=福島市
◇銀賞(盾、賞金2万円)
 「わたしの家族」
寺島良子(67)=福島市
◇銅賞(盾、賞金1万円)
 「ほんの気持ちです」
横溝武(65)=郡山市
【似顔絵部門】
◇金賞(盾、賞金3万円)
 「りゅうちぇる」
鈴木友里(25)=喜多方市
◇銀賞(盾、賞金2万円)
 「登山家 田部井淳子さん」
佐藤祐吉(82)=福島市
◇銅賞(盾、賞金1万円)
 「あれ!?お呼びでなかった!?」
前田晃男(59)=会津若松市
(敬称略)

 ユーモア込めた力作

 県内外のアマチュア漫画家や絵手紙愛好者らが発想力や表現力を競う第33回「民友マンガ大賞」。マンガ部門は「二刀流」、絵手紙部門は「あったか」をテーマに作品を募り、著名人を個性的に描いた似顔絵部門にも多数の作品が寄せられた。見る人を楽しませるユーモアやきらりと光るアイデアが目を引く作品の数々に加え、若手"マンガ家"の力作なども目立った。

 マンガ大賞を射止めた郡山市の渡部義勝さん(67)は、正月定番の凧(たこ)揚げと今年さまざまな場面で活用されたドローンを組み合わせて「二刀流」を表現。空中の凧とドローン、そしてそれを同時に操る人との間にある空間をうまく生かして作品に仕上げた。

 金賞の須賀川市の鈴木拓也さん(22)は「ほめられない二刀流」と題し、今年社会問題にもなった自動車運転中のスマートフォン操作について描いた。絵手紙部門は寒い夜には欠かせない「湯たんぽ」を味のある絵柄と文章で表現した福島市の渡辺静子さん(81)が金賞を受賞。似顔絵部門の金賞は、今年大活躍したタレントのりゅうちぇるさんを個性豊かに描いた喜多方市の鈴木友里さん(25)が受賞した。

 審査会は福島民友新聞社で開かれ、日本漫画家協会参与のややまひろしさんを審査委員長に、福島民友新聞で4こまマンガ「ももちゃん」を連載する漫画家のおだれいこさん、画家で同協会会員の和田恵秀さん、菊池克彦福島民友新聞社編集局長が審査委員を務め、作品を吟味した。

 ややまさんは「マンガ部門はテーマが重なる作品があったが、絵がすっきりしていてうまさが光った。絵手紙も絵はうまかったが型にはまっていてもう少し個性がほしかった」と指摘、似顔絵は「上半身や全身を描くことで個性がうまく表現されていた」と講評した。その上で、「今回は若い人が数多く応募してくれたことも大変喜ばしい」と語った。今回はマンガ部門に95点、絵手紙部門に72点、似顔絵部門に44点の計211点の応募があり、昨年のコンクールを上回った。