【読書】人は見た目がすべてか? 「ラブリィ!」(郡山在住・吉田桃子著)

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「ラブリィ!」(吉田桃子著)

 主人公の井出拓郎は中学2年の映画少年。クラスメートの田沼涼子を主役に撮った作品がコンクールで入賞した...のだが、審査員の講評は「主演のブス女優がすばらしかった。ラブリィ!」。

 これが同級生に知れたらヤバイ、田沼が傷つく―と焦る拓郎。そこから思春期の少年少女たちの、もやもやしながらも、コミカルで、みずみずしい日々が始まる。

 テーマは「人は見た目がすべてなのか?」。

 この普遍的な難題をヤングアダルト小説の快作に仕上げたのだから、昨年の講談社児童文学新人賞を審査員の満場一致で受賞したのも当然だろう。

 主人公が魅力的なのはもちろん、脇役の造形が深い。そして、拓郎が涼子に呼び出される最終章で、読者は拓郎とともに「ラブリィ!」の意味を知り物語の余韻に浸るのだ。

 著者は郡山市在住。舞台の街は郡山を思わせる。 (講談社・1404円)