憎めない意地悪ガエル 福島出身・マット和子さん絵本、若い読者に人気

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ハッピーオウル社 1404円

 4冊目となる絵本「がまばあさん」(ハッピーオウル社)を刊行した福島市出身のイラストレーター・絵本作家のマット和子さん(53)。意地悪なのに憎めない、がまばあさんの心温まる話を色鉛筆による優しいタッチで描いた。「若い読者からの『絵がかわいい』という声に励まされている」と手応えを語った。

 魔法使いの弟子だったがまばあさんは、おしゃべりを邪魔したり、洗濯物をぬらしたり、意地悪をすることが大好きだった。しかし、あるとき大雨が降った後、ふらふらと歩くがまばあさんは、悪さもしないで通り過ぎてしまう。心配したこがえるが家に向かうと...。

 「子どもの頃からカエルが大好きでした。カエルの漫画を描いたり、学校帰りに小さなカエルを捕まえて遊んだりしていた」

 アイデアのきっかけは友人の一言。「すごく意地悪なおばあさんの話を描いて」とリクエストされ、「なるほど、そういう絵本も面白いかもしれない」と思った。「意地悪なおばあさんといえば、やっぱりガマガエルかなと考えた。がまばあさんならどんな意地悪をするかしらと、どんどん話がふくらんだ」

 自宅のパソコンで見本を作り、自身の原画展で並べると編集者の目に留まった。縦の見開きという珍しい出版スタイルは、自宅のプリンターがA4用紙までしか出力できなかった名残だ。編集者の助言で色鉛筆を使い、見本よりもカラフルな作品に仕上がった。

 英語が併記されているところも珍しいが、これは「親族のため」と話す。「夫が米国人で、夫の親族にも読んでほしいから。でも『子どもの英語教育になる』と思わぬ反響をいただいている」

 マットさんは大学卒業後、ロンドンでグラフィックデザインとイラストを学んだ。帰国後は札幌市に住み、イラストレーターとして活動しながら焼き菓子と雑貨の店を始めた。2012(平成24)年に1冊目の絵本「かえるのオムライス」を出版。オリジナルのカエル雑貨も制作している。

 次作について聞くと「実は出版社から、がまばあさんの続編をお願いされている」と明かす。「若い頃の修業時代の話になりそうだから、タイトルは『がまねえさん』になるかな」と笑った。

マット・かずこ 1965年福島市生まれ。岡山小、福島三中、福島女高卒。津田塾大を卒業後、渡英。絵本に「かえるのオムライス」(2012年)「ほっぺおばけ」(13年)「What is love?」(16年)、挿画を担当した本に「いくたのこえよみ」(15年)「スカートはかなきゃダメですか?」(17年)など。札幌市在住。