新地町と宮城県丸森町の境にあり、標高430メートル。太平洋と初日の出を眺めることができる山として知られる。積雪はまずなく、登山道も整備されていることから、冬でも登れる山、足慣らしの山、初心者の山としても人気を集めている。鉱泉・鹿狼の湯の前には、大型バスも駐車できるトイレ付きの駐車場もあり、近県からの登山客も目立つ。
中通りは風が強く、小雪が舞った3月中旬、友人たちと頂上を目指した。鳥居をくぐると、すぐに樹海コース(左回り)と眺望コース(右回り)の分岐点に出た。樹海コースを選んだ。
ほぼ無風で、時折雨がぱらつく中、手入れされた杉林を左に、ナラ、クヌギなど雑木林を右に見ながら、幅1.5メートルの道を15分歩くと、急に眺望が開けた。冬枯れの木立越しに、大海原が広がり、雑木林にはカタクリ自生地の標識が随所に立っている。
さらに20分、尾根道を登ると山頂。二等三角点がある頂だけに、北西に蔵王連峰、晴れれば北東の彼方に金華山や牡鹿半島が望まれる。一緒に登った山のベテラン・県北地方振興局の斎藤敏彦さん(53)は「手軽に登れる割にこんなに眺めが良い山はそうはない」と、360度の眺望をベタほめ。サクラも植えられ、満開時の光景が目に浮かぶ。神社で手を合わせ、あずまやで一休みした後は眺望コースを下った。樹海コースよりはこう配が急だが、階段もあり安心して降りられる。28日には、初めて山開きが行われる。
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