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宇津峰山

< 標高 676.9m >
(須賀川市・郡山市)


のどかな田園風景から望む宇津峰山。山城だった歴史的経緯もあり山容からは威厳が感じられる
   
山を楽しむ
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山全体が南北朝時代の城跡
     
   

 宇津峰山は阿武隈山系の独立峰で、須賀川市東部と郡山市南東部の境にそびえる。山全体が南北朝時代の城跡で、雲水峰とも表記される。1931(昭和6)年に国指定史跡となり、自然美あふれる風景の中にも戦いの歴史が刻み込まれていることを感じさせる。
 1340(興国元)年。南朝方の鎮守府将軍北畠顕信は、後醍醐天皇の孫守永親王を奉じて宇津峰に山城を築き、北朝方と激戦を繰り広げた。しかし、13年後にあえなく落城、これで東北地方の南北朝の争乱が終結したと伝えられる。
 現在は遊歩道が整備されており、郡山側は谷田川の馬場平登山口、須賀川側は塩田の清水登山口が主な登山口とされる。今回は須賀川側から山頂を目指した。
 清水登山口は標高450メートルほどに位置し、車で乗り入れられる。駐車場前には「ふくしまの水30選」に選ばれた「雲水峰清水(うつみねしみず)」の水飲み場があり、わき出る清水を容器にくみ、登山を開始した。
 鳥居をくぐり、山道を登ると「こかげ広場」と名付けられた野原が広がる。ここから山頂までは600メートル。所々に急傾斜があるものの、手すりがあるため初心者や子どもでも登りやすい。
 山頂には守永親王らを祭る雲水峰神社、千人溜(だまり)と呼ばれる土塁が残るほか、雲水峰城址の石碑など顕彰碑が立ち並び、動乱の歴史を静かにしのばせる。松の古木や雑木が茂り眺望は開けていないが、木立の間から郡山盆地や遠くに奥羽山脈などが望める。

     
山頂に建てられた雲水峰城址の石碑。南北朝時代の山城に刻み込まれた動乱の歴史を静かに今に伝えている
■参考コース・時間
 ▽須賀川側=清水登山口(5分)→こかげ広場(15−25分)→雲水峰神社・山頂
 ▽郡山側=馬場平登山口(20分)→御井戸の清水(10分)→雲水峰神社・山頂 ※清水登山口と馬場平登山口には数台の駐車が可能。須賀川側、郡山側は山頂で合流
■問い合わせ先
 ▽須賀川市商工観光課=電話0248・75・1111
 ▽須賀川市小塩江公民館=電話0248・89・1005
 ▽郡山市田村公民館=電話024・955・3842
   
(2007年5月17日 〔山を楽しむ〕文・桑田広久 写真・田中良吾)
 

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