猫魔ケ岳という名前の由来は、人を食らう化け猫が山にすみついていたという昔話に基づく。恐ろしげなイメージがあったが、登ってみると、歩きやすい登山道が整備され、初心者でも気軽にトレッキングを楽しめる親しみやすい山だ。
山頂へは、磐梯山ゴールドライン沿いの猫魔八方台口からと、雄国沼方面から登る二コースがお薦め。今回は八方台口から登ってみた。
緑鮮やかなブナの原生林の中を30分ほど歩くと、視界が開けて尾根道に出る。横にそびえる磐梯山を見ながら、さわやかな風を受けて歩く。多少のアップダウンはあるものの、それほどきつくはない。登り始めてから1時間余りで山頂に到着した。
南には太陽の光を反射して輝く猪苗代湖と会津盆地、北側は桧原湖をはじめとした裏磐梯の湖沼群、雲の切れ間からは残雪のある飯豊連峰の姿も見ることができる。山頂からの大パノラマを満喫し、しばし開放感に浸った。
さらに、山頂から少し下ったところにある猫石を目指した。「猫が座っているように見える」といわれる大石で、死期が迫った会津中の猫はここに集まるという伝説がある。ここからは雄国沼が一望でき、黄色いじゅうたんを敷き詰めたようなニッコウキスゲの群落を見渡せた。
高原のさわやかな登山に身も心もリラックスでき、次は雄国沼まで下りるタフなコースも体験したいと思った。
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