飯野町の山といえばUFOの飛来地として全国的にその名が知れわたっている千貫森が思い浮かぶが、千貫森近くにある同町最高峰の天井山も町民をはじめ大勢の人に愛されている。山頂までの道のりに険しい所が少ないため、家族連れや初心者に人気が高い。
千貫森から3キロほど北東に行くと、車道右脇に案内板が見えてくる。登山口には3、4台の車が駐車できる広さがあり、そこから歩き始める。すぐに林道に入り、ひんやりとした空気が体全体を優しく包み込む。林道脇の小川のせせらぎも耳に心地よい。
道は緩やかな上りとなり、次第に足取りが重くなっていくのを感じる。荒くなった息を整えるため木に寄りかかると、セミが鳴きながら飛んで行った。深く息を吸い込み、再び歩き始めると、「宇宙人の落としもの(いぼ石)」と書かれた看板が目に入ってきた。周りとあまりにも不釣り合いの、でこぼことした大きな石があり、そのネーミングに妙に感心させられた。
そこからは尾根沿いの緩やかな道が続く。山頂の手前には急こう配が待ち構え、その先に青空が広がっていた。最後の一踏ん張りと歩みを速める。何とか登り切ると、これまでの雑木林の景色とは一転、草地が広がっていた。
山頂付近からは福島盆地や吾妻連峰を一望できる。快晴なら蔵王や那須連峰を望むことも可能。千貫森のUFOふれあい館には入浴施設があり、登山の汗を洗い流してくれる。
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