本県の最南端で茨城県境にあり、景勝地として知られる矢祭山の後方に静かにたたずむのが桧山。紅葉の季節にかけて人の集まるスポットになっている。
登山道入り口までのコースはいくつかあるが、今回は総合案内施設を出発し矢祭山友情の森を抜けた。昔は小学校の遠足でも登ったという道は、案内標識も整備されている。マツ林を左手に登ると登山道入り口に到着した。
「山頂まで1500メートル」の看板がある。登山道はやや狭いが、歩くのに不便はない。セミの鳴き声が残暑を思わせるが、木漏れ日で暑さが和らぎ、30分ほどで頂上に到達した。たどり着くまでも目にしたが、眼下に広がる久慈川の流れと田園風景、塙町まで望むことができる山頂付近からのパノラマが最高。
さらに三角点まで移動したが、草木が生い茂り360度大パノラマとまではいかない。代わりに、そよ風が顔をかすめ上昇した体温を抑えてくれた。町観光協会事務局の深谷義典さん(36)が「気軽に楽しめる低山で、中高年に人気がある」と話していた通りで、快適な山登りを満喫した。
下山はあっという間。登山道入り口から今度は夢想滝に通じる林間歩道に入った。あずまやに着くと矢祭山が見え、滝の音も響いてくる。久慈川の流れに癒やされ、全長5キロのコースを締めくくった。山を満喫した後は、山頂からも望めたユーパル矢祭で温泉に入って疲れをとるのも楽しみ方の一つ。
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