郡山市の西部、三森峠の南東に形のいい三角形の山がそびえる。平安時代、源義家が奥州征伐の際、頂で軍旗を高く掲げ戦勝を祈願したといういわれから、高旗山と呼ばれるようになったという。山頂には由緒ある神社も祭られている。
登山道は、参道として整備されていて歩きやすく、子どもから高齢者まで気軽にハイキングできる。春先にはカタクリやツツジ、秋には紅葉の雑木林が山中を彩る。初日の出を眺めに訪れる登山客もいるなど、年間を通して楽しめる山。
県道郡山湖南線の源田湯バス停から多田野川を越えると、源田温泉が見えてくる。ここから林道日山源田線を山頂へさらに進めば、「参道入口」と書かれた道標が登山客を出迎える。
山道に足を踏み入れ、しばらくはやや急な上りが続く。道が緩やかになり始めると、ひんやりとした沢水のわき出る水場に出合い、ほっと一息。辺りの斜面を埋め尽くす緑豊かなクマザサも目を和ませる。
登り始めてから50分ほどで山頂着。ふもとの旅館「熊田屋」を経営する熊田広治さん(48)が「一等三角点が置かれ、360度大パノラマを楽しめますよ」と教えてくれた通り、北には吾妻、安達太良山、西には猪苗代湖や磐梯山、東には広々とした安積平野など絶景に目を奪われた。
山を満喫した後は熊田屋で、かつて源氏の兵士たちが傷を治すために利用したという源田の湯にゆっくりつかり疲れを癒やせば、充実した一日になる。
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