【飯舘】咲き誇る『飯舘復興の桜』 会田さん夫婦「戻るきっかけに」

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会田さん夫婦が植え続けた3千本以上の桜が見ごろを迎えている「飯舘復興の桜」=25日

 東京電力福島第1原発事故による避難指示が3月末に一部地域を除いて解除された飯舘村で、「飯舘復興の桜」と名付けられた3000本以上の桜が見ごろを迎えている。約20年にわたり桜を植え続けている同村伊丹沢地区の会田征男さん(72)とツタ枝さん(70)夫婦は「村民が戻ってきてくれるきっかけになってくれれば幸せだ」と話す。

 避難指示の解除を祝い、飯舘村の再生を願うかのように咲き誇る3000本の桜―。植樹は、会田さん夫婦が、村民が集う桜の名所になればと、1997(平成9)年に自宅の桑園を改良して始めた。ソメイヨシノや大山桜など毎年100本以上を植え続けていたが、2000本を超えた翌年、東日本大震災と原発事故が発生。二人は避難を余儀なくされた。

 「もうだめかもしれない」。そんな不安が二人の脳裏をよぎることもあったという。それでも、桜の存在を知った全国の支援者から桜の苗木が届けられ、ボランティアで植樹をする団体も現れた。二人は避難先の相馬市から村に通い、植樹を再開。再び本数を増やし始めた桜は「飯舘復興の桜」と名付けられ、昨年11月、ついに3000本を超えた。

 今月23日、現地で約20種類、3000本の桜を観賞する「復興桜まつり」が開かれ、村民らが一面に咲く桜を眺め、帰村の喜びを分かちあった。桜並木を歩きながら「苦労したかいがあったね」と征男さんに語りかけたツタ枝さん。「どんな困難があっても、この桜を見れば乗り越えられるさ」。二人の思いが宿った桜が、村民の心を支え続ける。桜の見ごろは今月いっぱいという。