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ふくしま里山物語
 かつて、人々の生活と密着し暮らしを支えてきた県内里山。燃料や農業に必要なものを得るために手を入れてきた。変わりつつある現在の里山の風景、森づくり、行事など、人と森のかかわりとともに、そこに息づく生物を紹介する。
【 8 】 棚田
トンボ舞うふるさとに

棚田

なだらかな山の谷あいに広がる棚田。生産性を上げるために田んぼは広げられたが、昔ながらの里山の風景が残る=二本松市(旧東和町)

 阿武隈高地のなだらかな山の間に幾重にも広がる水田。田植え機のエンジン音に張り合うかのようなカエルの声がにぎやかに響く。林に挟まれた谷あいは沢が利用しやすく、古くから棚田が作られ、里山らしい景観をつくってきた。
 旧東和町地区に住む菅野正寿さん(50)=二本松市太田。自身の田んぼ約1ヘクタール以外に1.5ヘクタールの田んぼを管理する。高齢化した農家や兼業農家に頼まれた。「断ると田んぼは荒れてしまう」。元に戻すのには時間も金も掛かる。

 わき水使い品質上々

 3年前から道の駅「ふくしま東和」で「棚田米」を売り出した。棚田は平野部の田んぼに比べると日照時間が短く、管理にも手間が掛かる。しかし、収量は少なくてもわき水を使った米の品質は絶対に負けないと胸を張る。
 菅野さんは、農家が生産、加工、販売まで手掛けることの必要性を説く。旧東和町はもともと県内有数の養蚕地帯。桑の葉や果実を使ったオリジナル商品で地域おこしを行ってきた。冬にはかつての蚕室で自慢の米がもちに加工され、主に贈答用として販売される。
 間もなく棚田ではトンボが一斉に羽化し、棚田が黄金色に輝くころ赤く染まって帰って来る。棚田と桑畑、赤トンボの舞うふるさとを守り育てていくことが、菅野さんの願いだ。
(写真と文・矢内靖史)
   棚田 
  傾斜地にある稲作地。稲作の機械化や減反政策によって真っ先に放棄されてしまうことも多い。
 
 

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