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ふくしま里山物語
 かつて、人々の生活と密着し暮らしを支えてきた県内里山。燃料や農業に必要なものを得るために手を入れてきた。変わりつつある現在の里山の風景、森づくり、行事など、人と森のかかわりとともに、そこに息づく生物を紹介する。
【 30 】 サケ
「古里へ」波に揺れる大群

打ち寄せる波間で、朝日に輝くサケの群れ。遡上前に淡水に体を慣らす=浪江町・請戸川河口付近

 秋色に染まったサケが、古里の川へ戻ってきた。浪江町の請戸川ではサケの遡上(そじょう)が本格化している。河口付近では、大きく成長したサケが川にさかのぼるころ合いをうかがいながら波間に群れる。打ち寄せる波の中を列をなして泳ぎ、時折、海面に背びれを出したり、跳ねたりする姿は壮観だ。
 海で回遊中のシロザケは銀白色だが、川に入る産卵期にはブナの木肌に似た模様になる。サケは「母川回帰」の性質を持ち、北洋で3年から5年過ごして成長し、生まれた川に再び戻る。そして、たどり着いた川で、自分の命と引き換えに子孫を残す。

 人工ふ化1世紀以上

 サケの採卵・放流の歴史は古い。請戸川のやな場を管理運営する泉田川漁協の石井仁組合長(74)によると、泉田川の人工ふ化事業が始まったのは1908(明治41)年、今年で101年目を迎える。昨年は約1600万匹の稚魚を放流し、約8万匹の水揚げがあった。
 この時季、やな場は地引き網漁見学や取れたてのサケを買い求める観光客でにぎわう。「最近は丸一匹を買ってくれなくなりました」と石井組合長。組合員の奥さんたちが、サケをさばき、みそ漬けなどの加工品やイクラ作りに大忙し。サケの遡上は初冬まで続く。
(写真と文・矢内靖史)
   サケ 
  サケ目サケ科 全長60〜80センチ。日本海一帯と太平洋側では利根川以北に分布。アキアジ、シャケ、ブナなどの呼び名がある。
 
 

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