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かつて、人々の生活と密着し暮らしを支えてきた県内里山。燃料や農業に必要なものを得るために手を入れてきた。変わりつつある現在の里山の風景、森づくり、行事など、人と森のかかわりとともに、そこに息づく生物を紹介する。
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【 33 】 外来生物
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裏磐梯の湖沼群で拡大
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生物愛好家「福島生き物探検隊」によるウチダザリガニの駆除作業
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年間を通して多くの人が訪れ、本県を代表する観光スポットの裏磐梯。大小300近い湖沼群があり、自然豊かな全国でも貴重な地域とされる。しかし近年、さまざまな外来生物がはびこり問題になっている。
北米原産のウチダザリガニが小野川湖で確認されるようになったのは1998(平成10)年ごろ。コクチバスの餌として放流されたのではないかとの見方もある。現在は桧原湖や秋元湖、周辺の河川などでも確認されている。
ウチダザリガニは、大きいもので体長20センチほど。雑食性のため、希少な水生植物に影響を与えていると考えられる。2004(平成16)年、外来種による生態系などへの影響を防止するための法律「外来生物法」が制定され、生きたまま移動させることなどが禁止された。
生態系保護へ駆除活動
ヨーロッパでは高級食材として知られるウチダザリガニを食べて減らそうという動きもある。NPO「わかば自然楽校」では、3年前から子どもたちとザリガニを捕獲し、その場でゆでて食べるイベントを行っている。事務局の五十嵐悟さんによると「エビよりおいしい」と好評だという。
裏磐梯では、大規模なオオハンゴンソウの駆除活動も行われるなど、外来種を抑制する取り組みの輪が広がりを見せている。
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(写真と文・矢内靖史)
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【 外来生物法 】
外来生物のうち、生態系や人間、農業などに問題を引き起こす生物を「特定外来生物」に指定し規制する法律。
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民友携帯サイト
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