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かつて、人々の生活と密着し暮らしを支えてきた県内里山。燃料や農業に必要なものを得るために手を入れてきた。変わりつつある現在の里山の風景、森づくり、行事など、人と森のかかわりとともに、そこに息づく生物を紹介する。
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【 34 】 布ぞうり作り
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タンスの肥やしを活用
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ござの上で布ぞうりを編む体験教室の参加者。菅野さん(中央)の明るい人柄で笑いが絶えない
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タンスの肥やしがよみがえる”エコ”な履き物「布ぞうり」。伊達市月舘町のつきだて花工房では毎月、体験教室「布ぞうりを編もう」を開いている。講師は地元の菅野幸一さん(82)。ござの上で受講生と和気あいあい、色とりどりの布ぞうりを編んでいく。おしゃれで健康的な室内履きとして、人気を集めているようだ。
「子どものころ履いた草履は親が編んでくれたし、山仕事をする前には自分でわらじを編んだ。昔はワラをたたいて、よってからだから大変だった」と菅野さん。布ぞうり編みを指導し始めてまだ数年だが、草履やわらじ編みは、体に染みついている。
布ぞうりは、古着や着物はもちろん、さまざまな素材で作ることができる。「家に端切れはたくさんあるし、編み方を覚えたら友達にも作ってあげたいと思った」と受講者の一人。菅野さんが布ぞうり編みの講師を務めるようになってからは、知り合いが布を持ち寄ってくれるようになったという。
編む手つき「魔法のよう」
菅野さんは数年前、脳梗塞(こうそく)になった。半身や言葉に障害が出たが、ひたすら草履を編むことがリハビリにつながったという。菅野さんが草履を編む手つきを見て、受講者の一人が「魔法みたい」とつぶやいた。
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(写真と文・矢内靖史)
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【 つきだて花工房 】
里山文化を体験できる施設。農産物直売やさまざまなイベントを開催。電話024・573・3888
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