| 柔らかな食感ワインの香り
昭和2年創業の鏡石町旭町の和菓子店「かぎや」。同店の代名詞と言われるのが伝統の干菓子「ぶどう氷」だ。創業と同時に開発したお菓子の一品として、町の名産品の域を超え、全国にその名を知られる。第1回ふくしま特産品コンクールでは、見事に大賞を受賞するなど多くの人に愛され続けている。同店三代目で社長の江幡哲朗さん(55)は「多くの人たちに商品を知ってもらえたことはありがたいですが、大賞はおまけみたいなものです」と話す。
ぶどう氷は寒天をベースに砂糖と赤ワインなどを混ぜ合わせ、3、4日かけて乾燥させたもの。創業当時の赤ぶどうから、赤ワインに原料は変わったが、製法は今に受け継がれている。気候に左右されやすく、店頭に並べることができない失敗作もあるという。
ぶどう氷の特徴として、紫色のさわやかな色合いと、氷のような形がまず目を引く。口に入れると柔らかな食感とともに、ワインの香りと、しつこさのない甘さが口に広がる。若者から高齢者、外国人など幅広い層で人気を集めており、首都圏消費者への配送も多い。また、茶懐石用、贈答用、日常消費用と広い用途で使われている。
人気の高さに全国各地のデパートからの出店依頼もあるが、手づくりのため大量生産ができないことから、最小限度にとどめている。江幡さんは「大量生産できないからこそ、細く長く多くの人たちにこの商品を大事にしてもらいたい。また、自分の目の届く範囲で販売したいですね」と思いを話す。
現在は仕込みを担当する息子の陽介さん(26)とともに店を営業。江幡さんは「原料だけはうそをつかずにやっていきたい。お客さんにとってなくてはならない店にしていきたい」と今後を語った。
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