【 ほまれ酒造 】 世界にその名を刻む<喜多方市>

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蒸米に種こうじをまき、胞子を均一に付着させる「床もみ」の作業で温度を測る杜氏の中島さん=喜多方市・ほまれ酒造

 今夏、日本酒の魅力を世界に伝え、その名を刻んだ酒蔵がある。世界最大規模のワイン品評会で日本酒部門の最高賞に輝いた、ほまれ酒造(喜多方市)だ。

 「圧倒的においしい酒を造りたかった」。受賞祝賀会で4代目社長の唐橋裕幸さん(42)=写真・下=は、世界一となった「会津ほまれ播州産山田錦仕込純米大吟醸酒」を生み出す際の思いをこう表現した。その言葉の裏には「ものづくり」への信念と、地元への愛着がある。

 唐橋さんは大学卒業後、米国に渡り、約4年間、語学や経営学修士(MBA)取得などの研さんを積み、ワインなどを手掛けるメルシャンに就職、営業の経験を重ねた。故郷に戻ったのは約10年前。当時は新潟県の久保田や八海山、菊水といった淡麗辛口が全盛で「福島の方が酸味があって良かったが、新潟の酒がもてはやされていた」と、もどかしさを募らせた。

 「甘みのバランス」「香り」「飲んだ後の押し味(余韻)や切れ」、そして「品質の高い商品を安定的に生み出す再現性の確立」。理想を追い求め、設備強化や製造ライン見直しで銘柄に応じた自在の仕込み作業を実現させた。「『たまたまおいしい酒ができた』では駄目。再現性こそが、ものづくりの基本」と考えている。約40年のキャリアを持つ杜氏(とうじ)の中島一郎さん(62)が、発酵を調整する手作業の「床もみ」で、その思いを体現する。

 世界一の酒蔵となっても、夢は尽きない。「日本酒はどんな食事にも合うので、提案の仕方が重要。ワインのように生産地(喜多方)を一大観光地にしたい」。その情熱に圧倒された。


ほまれ酒造

 女性向け商品開発に力
 米問屋から、みそ、こうじ製造業を営んでいた唐橋幸作が1918(大正7)年に加納酒造を設立。その後、唐橋醸造場、ほまれ酒造と改名した。今年は県酒造組合の鑑評会で吟醸酒の部の最高賞となる知事賞を春、秋と連続受賞する快挙を達成。「ゆず酒」「苺(いちご)にごり酒」など女性が親しみやすい日本酒の開発や地元産米を使った酒造りにも力を入れている。蔵元にある雲嶺庵(うんれいあん)で試飲が楽しめる。雲嶺庵(電話)0241・22・5155

ほまれ酒造