【 会津酒造 】 最先端技術で味磨く<南会津町>

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最新の酒造設備が並ぶ酒蔵で、酒の瓶詰め作業を行う浅沼さん=南会津町・会津酒造

 築200年を超える会津酒造(南会津町)の酒蔵には、老舗の風格が漂う外観とは対照的に、銀色の光沢を放つ最新の酒造設備が所狭しと並ぶ。

 「以前の(会津酒造の)酒に雑味を感じていた」。跡取りの専務渡部景大さん(28)=写真・下=は、ばっさりと言い切った。「若い人に、より好まれる(雑味のない)きれいな味の酒を造りたかった。原料処理と貯蔵の仕方で味は変わる」。東京農大で最先端の醸造技術を学んだ渡部さんは2010(平成22)年に家業に就くと、まずは酒造工程にメスを入れた。洗米の際にコメが傷つくのを防ぐため、本来はイクラを洗う特殊な機械や、出荷まで最高の状態を保つ大型冷蔵庫の導入など設備の強化と更新を進めた。

 渡部さんと同時期に入社し、酒造りの苦労を共にした従業員浅沼治樹さん(25)も「よりきれいな仕上がりになった」と感慨深げ。お薦めの銘柄を尋ねると、渡部さんは「全銘柄お薦めだが、食前か食後に楽しむなら」と大吟醸「田島」を推す。「酒は食事とセットで味わうもの」と思い込んでいたが、物は試しと夕食前に飲んでみた。果物のような香りが広がり、食欲をそそる。好みにもよるが、大吟醸の華やかな香りを堪能できるように感じた。

 「夢は『全国から南会津に買いに来たい』と思わせる酒を造ること」。渡部さんの日本酒を語る言葉の端々に、江戸時代から続く老舗の看板に安住せず、酒質の向上を求め続けるチャレンジ精神がにじみ出る。






会津酒造

 320年間続くこだわり
 みそ、しょうゆ製造を経て、1695(元禄8)年ごろから酒造りを始めた。県内で最も古い歴史を持つ蔵元の一つ。創業当初から現在までの約320年間、一貫して日本酒の命とされる仕込み水に酒蔵敷地内でくみ上げた地下水を使用している。軟水ならではの口当たりがまろやかな地下水の特徴と、コメ本来のうま味を最大限に生かすため、糖類や酸味料などを添加しない酒造りにこだわり続ける。会津酒造(電話)0241・62・0012

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