【 開当男山酒造 】 ニーズに応える挑戦<南会津町>

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「もろみ」を均一にする「かい入れ」の作業に励む湯田さん=南会津町・開当男山酒造

 暖冬とはいえ、底冷えする開当(かいとう)男山酒造(南会津町)の酒蔵で、蔵人たちが繁忙期を迎えた仕込み作業に励んでいた。豪雪地帯ならではの寒冷な気候の中で、江戸中期の創業以来、左党をうならせてきた「開当男山」は生まれている。

 「食事や会話を盛り上げる名脇役の酒を目指している」。酒蔵を案内してくれた14代目蔵元の渡部謙一さん(50)=写真・下=は酒造りへの思いを口にする。冬場は氷点下20度近くまで気温が下がる南会津町だが、身に染みる寒さも酒造りには好条件。杜氏(とうじ)の湯田善吉さん(54)が「飲むと『ほっとする味』」と評するように、低温でゆっくりと仕込むことで、甘みや苦みが主張しすぎない優しい味の酒に育つという。

 お薦めの銘柄を尋ねると、「味わいや口当たりの異なる約120種類の酒を製造している。お客さんが、その時々に飲みたい酒を提案したい」と渡部さん。確かに、料理や季節、酒席の雰囲気によって、華やかな香りの酒を楽しみたい時もあれば、深くしっかりとしてコクがある濃醇(のうじゅん)な酒を飲みたい時もある。さまざまなシチュエーションに合わせて「多様なニーズに応えたい」との思いから、新商品開発や既存商品の品質改善に取り組み、種類を増やしてきたという。

 創業から丸300年を迎えた今年も、節目を記念して数種類の新たな酒を造る。「新しい考え方や切り口をどんどん試していきたい」と渡部さんは力を込める。より幅広い飲み手のニーズに応えるための挑戦は続く。





開当男山酒造

 創業者の名前が銘柄に
 創業は1716(享保元)年。300年の歴史を持つ。創業者の渡部開当(はるまさ)の名前が銘柄名になっている。第2次世界大戦時は、シベリア抑留で亡くなった12代目に代わり、12代目の妻ら女性陣が中心となって蔵を守り抜き、酒造りを続けた。全国新酒鑑評会では、2000(平成12)年以降、7度にわたる金賞受賞の実績を誇る。県内をはじめ、栃木、茨城両県など北関東地方にも商圏を持つ。開当男山酒造(電話)0241・62・0023

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