【 佐藤酒造 】 地元愛し進化続ける<三春町>

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米の浸水具合を確かめる製造責任者の斎藤さん=三春町・佐藤酒造

 歴史薫る城下町・三春で親しまれる地酒「三春駒」。この酒を生み出す佐藤酒造(三春町)の酒蔵は、町中心部に位置する。そこには、地元に根差した酒造りに取り組む職人の姿があった。

 「われわれは地元と共に生きる酒蔵。地元に愛される酒を造っていきたい」。営業マネージャーの柳沼康之さん(60)=写真・下=は、熱っぽく話す。その姿勢は酒造りに表れる。2014(平成26)年から町内の農家に酒造好適米「五百万石」の生産を依頼している。今年、初めて地元米で造った酒を販売する。今後、地元米の酒の割合を増やしていくという。阿武隈山系の伏流水と地元米で文字通りの「三春の酒」への進化を続ける。

 築90年近いという酒蔵を案内してくれた製造責任者の斎藤哲平さん(33)は「丁寧に手間を惜しまないことが一番」と酒造りの信念を語る。11年に食品営業職から転身し、今年で5シーズン目を迎えた。南部杜氏(とうじ)の大ベテラン八重樫健さん(79)の指導を受けながら、三春駒の味を受け継いでいる。酒造りの最新技術の勉強も怠らない。「その道、数十年という経験はないが、知識で補いたい」との言葉に、将来の杜氏としての気概を感じた。

 斎藤さんが、この季節のお薦めの銘柄として推すのは、純米酒「みはる純米」。麹米(こうじまい)に「五百万石」、掛米に「美山錦」を使用し、精米歩合は60%。花見の季節に合わせた商品で「冷やだと飲み口が良く、すっきり。燗(かん)だと少し辛めで、うまみも膨らむ」と解説する。町内に桜が咲き乱れる三春の春が待ち遠しくなった。


佐藤酒造

 桜から作った酵母使用
 1979(昭和54)年に「金かぶ酒造」から佐藤酒造に社名が変わり、現在に至る。創業した時期は不明。酒蔵は1924(大正13)年に建てられた。販売しているのは「三春駒」「傳(でん)」「金かぶ」「愛姫(めごひめ)」の4銘柄と季節限定酒。三春町を中心に東北、北関東で販売している。地元の福聚寺にある枝垂れ桜の花弁を加工して作った酵母使用の純米大吟醸原酒「三春 一と口(ひとくち)」を開発するなど、新たな取り組みにも積極的だ。佐藤酒造(電話)0247・62・2816

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