【 夢心酒造 】 二枚看板で天下取り<喜多方市>

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瓶詰めやラベルを貼る工程を経て出荷される看板銘柄の「純米吟醸 奈良萬」=喜多方市・夢心酒造

 おなじみの金色のラベルに「夢心」の2文字が存在感を放つ。瓶詰めされた中身は、穏やかな香り漂う食中酒。地元スーパーで、よく目にする「普通にいつでも飲める酒」を提供し、長年にわたって市民に愛されてきた酒蔵が夢心酒造(喜多方市)だ。

 「うちの日本酒は塩っ辛い料理に合うんだよ」。6代目社長の東海林伸夫さん(47)=写真・下=が、お薦めの飲み方を教えてくれた。みそやしょうゆなどの醸造文化が根付いた会津地方。全般的に濃いめの味付けが多く、まろやかな日本酒が口の中で絶妙に調和する。

 そして、ぜひ試したいのが、夢心酒造の代名詞「お燗(かん)」だ。好みに個人差はあるが、温度は味わいが柔らかくなる50~55度が最適という。「お燗は普通酒のイメージ」と言うと、「もったいないと思われがちな純米大吟醸も驚くほどおいしくなる」と、もう一つの看板銘柄「奈良萬(まん)」を薦められた。小売店に直接届けることで、品質を損ねないよう工夫するこだわりで、品薄が続く銘酒となった。純米大吟醸は「お燗コンテスト」で日本一に輝いたこともある。

 この2銘柄を確立したのは、地元ブランド「朝日山」、全国的に有名な「久保田」を手掛ける朝日酒造(新潟県)の影響が大きい。普通酒の売り上げが落ち込む中、夢心酒造は朝日酒造の地元密着と全国にアピールする2通りの「定番商品」の作り方を参考にしつつ、1998(平成10)年に奈良萬の販売に踏み切った。現在、製造しているのは期間限定を含め、約10種類。「日本酒は嗜好(しこう)品。消費者の反応を見極め、王道で天下を取りたい」。東海林さんは前を見据えている。


夢心酒造

 「夢枕で神様から伝授」
 1877(明治10)年創業。「夢心」は夢枕で朝日稲荷神社(須賀川市)の神様から酒造りを伝授され、「夢心と名付くべし」と言われたことが由来と伝わる。東日本大震災前まで、同神社の祭典で、お神酒を供える習わしがあった。昨夏の世界最大規模のワイン品評会「インターナショナル・ワイン・チャレンジ(IWC)2015」では、「夢心 会津金印」が普通酒部門の最高賞トロフィーを獲得した。夢心酒造(電話)0241・22・1266

夢心酒造