【 磐梯酒造 】 蔵人の「和」が醸す味<磐梯町>

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蔵人の手で作られた酒造りの道具を手にする桑原さん

 かつて高僧徳一(とくいつ)によって創建された慧日寺(えにちじ)が栄えた「仏都会津」の中心地に蔵を構える。磐梯酒造(磐梯町)は磐梯山の伏流水で仕込んだ看板銘柄「磐梯山」をはじめ地元にこだわった酒を造り続けている。

 酒蔵を案内してくれた5代目社長の桑原大(だい)さん(52)は「和醸良酒」がモットー。「造り手が家族のような間柄でいればこそ、良い酒が生まれる」との考えだ。幼いころから越後杜氏(とうじ)や蔵人が仕込みの時期に泊まり込み、生活を共にして酒造りに打ち込む姿を見て育ってきた。蔵には使い込まれたスギのかい棒や竹のひしゃくなどが大事そうに保管してあった。蔵人の手作りで、数十年使い続けるものもある。桑原さんは「道具を大事に使うことも丁寧に酒を造ること」と手入れを欠かさない。

 桑原さんのお薦めは「磐梯山」の純米吟醸酒。精米歩合は50%で大吟醸にも引けを取らないコクとうま味が自慢だ。飲みごろはしっかり冷やした7~9度。「メインの肉料理に合わせても、負けない華やかさがある」と太鼓判を押す。また古代米の黒米を使った珍しい「会津桜」は食前、デザート向け。美しい桜色で、すっきりとした味わいは女性の支持が高いという。

 伝統の銘柄や手法を大切にするだけでなく、辛口やキレを求める消費者の声を受け、特別純米酒「乗丹坊」を商品化するなど、挑戦する姿勢も持ち続ける。「不易流行、造り手である限り大切なことを常に考えている」



昭和初期から使用している蔵

 清酒アカデミー1期生
 1890(明治23)年創業。昭和初期、3代目桑原啓さん(故人)が現在の場所に蔵を建てた。5代目の大さんは、県清酒アカデミー職業能力開発校の第1期生として酒造りを学び、蔵に入った。磐梯山の水とコメの良さを生かし、地元産にこだわった酒造りに取り組む。蔵の見学は不可。酒は磐梯町の磐梯ショッピングセンターYou・ゆーの酒店「たまのや」などで販売している。磐梯酒造(電話)0242・73・2002

磐梯酒造