【 栄川酒造 】 3年かけ「金」つかむ<西会津町>

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出荷作業に忙しい代表の石川さん。一本一本大事に詰め込んでいく

 栄川(さかえがわ)酒造は、かつて越後街道の宿場町として栄えた西会津町野沢に蔵を構える。

 「飯豊の伏流水と西会津の気候がうまい酒を生む」と語る代表の石川純一さん(66)は、戦国武将石田三成の一族の末裔(まつえい)で15代目。

 二枚看板の一つが大吟醸「冨國論」。名前は、英国経済学者アダム・スミスの著書「国富論」がルーツ。「国富論」が日本で「冨国論」の題名で刊行される際、10代目の三男が、翻訳を担当したことから名付けられた。名前の力強さとは裏腹に、すっきり、まろやかな口当たり。和食、特に酢の物などのさっぱり系に合う。

 もう一つは一族ゆかりの大吟醸「石田治部少輔(じぶしょうゆう)三成」。すっきりとした味わいが特徴で、名前のインパクトも抜群。「いま大河ドラマに石田三成が登場していることも相まって、全国から結構問い合わせがあるんだよ」とうれしそう。

 「酒造りで大事なのは、麹(こうじ)づくり。出来、不出来が味の幅、深みを左右する」と石川さん。特に気を使うのは、麹の発酵途中の温度管理。常にデータとにらめっこ、気が抜けない。

 数年前、麹菌を従来使っていたものから思い切って変えた。「全国で賞を取れる、うまい酒を造りたい」。その一心からの決断だった。

 しかし、新しい麹菌の特徴を思うようにつかめず、試行錯誤を繰り返し、特徴をつかむまでに3年を要した。その成果が、今年の全国新酒鑑評会で初の金賞受賞へと結び付いた。これからも己を信じ、酒造りに挑む。

地元の人々に愛される酒を造り続ける栄川酒造の酒蔵

 三成の旗印をラベルに
 1807(文化4)年に創業。初代は酒造りをしていたと伝えられているが、時期などは不明。創業年としている文化4年は会津藩から酒造りの免許を得た年。2015酒造年度の全国新酒鑑評会で初めて金賞に輝いた。受賞酒の大吟醸「石田治部少輔(じぶしょうゆう)三成」のラベルは、三成の旗印をデザイン。酒瓶に貼られたラベルを見ながら蔵元の歴史にも思いをはせて飲んでもらいたい、との願いが込められている。栄川酒造(電話)0241・45・2013

大吟醸「石田治部少輔三成」(左)と大吟醸「冨國論