【新酒鑑評会・6年連続金賞日本一】福島の日本酒、品質の高さPRへ
全国新酒鑑評会で本県の金賞受賞銘柄数が史上初の6年連続日本一となった。
高い品質が認められた福島の日本酒の今後の展開や課題について考える。
「すっきりした甘さがありおいしい。酒というと新潟や山形、『獺祭(だっさい)』の山口などのイメージが強いが、福島のお酒の実力は間違いない」
福島市のコラッセふくしま1階にある県観光物産館。18日午後、本県の金賞受賞酒の飲み比べができるコーナーで、出張のため東京から同市を訪れていた会社員高橋英行さん(50)は福島の日本酒の印象を話した上で、こう付け加えた。「だから、もっとうまく宣伝した方がいい」
同館には17日の審査結果発表後から大勢の人が訪れ、同館が用意した金賞受賞酒を買い求めた。中には売り切れて、急きょ酒蔵から追加で入荷した酒も。同日の売り上げは、前年同日比245%に上った。「福島市に仕事や観光で訪れた人も、ニュースで知って来館している。日本一の効果はものすごい」と桜田武館長(48)。日本一発表を受け、東京・日本橋にある県のアンテナショップ、日本橋ふくしま館「ミデッテ」でも日本酒が売れているという。
18日に高橋さんと県観光物産館を訪れた東京都の会社員小川美由紀さん(42)は「6年連続日本一ということをアピールして認知度が上がれば、首都圏のデパートなどにもっと並ぶようになるのでは」と感想を話した。
県によると、本県日本酒の昨年1年間の日本酒の全国シェア(占有率)は2.5%。兵庫県が26.6%で1位、京都府18.7%、新潟県8.1%と続く。「酒どころ」として認知されているこれら地域と本県の間には大きな差がある。6年連続で高い技術が認められても、「県外での知名度はまだまだ高くない」(県県産品振興戦略課)のが実情だ。県は日本一をきっかけに、国内外に品質の高さをさらに訴えていく考えだ。
県酒造組合の阿部淳専務理事(61)は「まずは地元の人に日本酒の魅力を再認識してもらいたい」と言う。「魅力を理解した県民が、それぞれ県外の知り合いなどに口コミで発信してくれる」。県民のファンを増やせるかどうかも、外部での知名度アップ実現に向けた鍵になりそうだ。
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