【新酒鑑評会・6年連続金賞日本一】酒造りに若者の感性期待 会津大と福島大

  このエントリーをはてなブックマークに追加 
新潟県の全ての酒蔵の利き酒ができるコーナー。多くの日本酒ファンが訪れている=新潟市中央区・ぽんしゅ館新潟驛店

 ずらりと並ぶ新潟県内約90種類の日本酒ラベル。おちょこを置きコインを入れれば好きな酒が飲める。今月中旬、新潟市のJR新潟駅改札に近い「ぽんしゅ館新潟驛(えき)店」は、大勢の日本酒ファンでにぎわっていた。

 「酒どころ」として知られる新潟県の日本酒を紹介しようと、同駅に2015(平成27)年に開店した。ぽんしゅ館食品店店長の能田拓也さん(42)は、日本酒を新潟市の観光資源だととらえる。

 「『市内で遊ぶとこある?』と聞かれて困ることがある。ここは観光よりも仕事で訪れる人の方が多い。ビジネス客に知名度の高い日本酒をPRすれば、ファンになってまた来てもらえるかもしれない」。PRに努める背景には、酒蔵の厳しい経営状況、後継者問題もあるという。

 知名度にあぐらをかかず、新潟の日本酒関係者は情報発信を強める。新潟大には4月、「日本酒学センター」が新設された。幅広い分野の講師が日本酒醸造や流通、歴史文化などを語る。定員を超える学生が講義室に詰めかけるほどの人気だという。

 開設に向け、大学と連携協定を結んだ新潟県酒造組合の水間秀一専務理事(68)は「県にとって日本酒はキラーコンテンツ。大学で日本酒を学んだ学生に、卒業後に全国へ発信してほしい」と期待を語る。

 若者が日本酒に関与する取り組みは、福島県でも始まっている。会津大に1月、学生有志の日本酒研究会が発足。福島大では昨年度、学生が酒米作りから携わり「福島大学の純米吟醸」を完成させた。製造、販売に関わった同大4年の黒沼尚太郎さん(21)は「学生がつくったと、買い物客からも注目してもらえた」と手応えを口にする。

 福島大には来年度、醸造学も教える食農学類(仮称)が新設される。地元の大学で学んだ若者の感性が、どんな変化をもたらすか、関係者の期待を集める。