【新酒鑑評会・6年連続金賞日本一】海外でも高評価 風評払拭けん引役に期待

 
県と在英国日本大使館主催のレセプションで県産日本酒を振る舞う関係者。県は県産日本酒の輸出拡大を見据える=3月22日、英国ロンドン

 「まさに『ふくしまプライド。』のトップランナーだ」

 県庁で17日に行われた記念パネルの除幕式。内堀雅雄知事は、全国新酒鑑評会で金賞受賞銘柄数6年連続日本一の快挙を達成した本県の日本酒に、風評払拭(ふっしょく)のけん引役として期待感を示した。

 国内外で高評価を受ける県産日本酒について、県は、国内だけでなく海外への発信も強く意識し、輸出拡大のチャンスをうかがう。

 県によると、2016(平成28)年度の県産日本酒の輸出量は約16万リットルと、統計を始めた12年度の2倍近くにまで増加した。

 震災前は香港や台湾への輸出が主だったが、16年にはダボス会議でも提供され、世界最大規模のワイン品評会「インターナショナル・ワイン・チャレンジ(IWC)」のSAKE部門で最優秀賞を受賞するなど県産酒の品質の高さが国際的に評価されるようになり、欧米でも輸出量が伸びた。特に米国への輸出量は16年度に約7万7千リットルと12年度比で倍増し、日本酒全体の輸出量の約半分を占める。

 一方、近年の和食ブームを背景に海外では日本酒の需要が高まっており、輸出拡大は全国的な傾向だ。国税庁の統計によると16年度の清酒輸出量は約1944万リットルに上り、本県日本酒の占める割合はまだまだ少ない。

 こうした中で県産酒が手に入れた「金賞受賞数で史上初の6連覇」という新たなブランド。

 県は「いかにそれを効果的にアピールできるかが鍵だ」(県産品振興戦略課)と、海外での販路拡大に向けた戦略を練る。今月末には内堀知事が米ニューヨークで、初めて県産酒に特化したトップセールスを行う予定だ。内堀知事は「福島の酒を販売促進できる手だてをつくっていきたい」と意気込む。