福島県産「日本酒」販売促進期待 ニューヨークに専用コーナー
米国ニューヨーク市中心部のマンハッタンに店を構える二つの酒販店が近く、本県産日本酒の専用コーナーを店内に設置する。米国で日本酒の消費量が最も多く、観光客やビジネスマンが集中するニューヨークに設けることで、県産酒の販売促進と知名度向上を後押しする。各店の経営者らが30日午後(日本時間31日午前)、トップセールスで両店を訪れた内堀雅雄知事に意向を示した。
設置するのはいずれも県産日本酒の販売実績があり、日本酒の取扱数が現地でトップ級の「ランドマーク ワイン アンド スピリッツ」と、マンハッタン随一のワインの品ぞろえを誇る「ユニオン スクエア ワインズ」。ランドマーク店は7月から1年程度、店頭と冷蔵庫、商品棚の3カ所に県産酒コーナーを作り、試飲のイベントも定期開催する。ユニオン店も入り口に最も近く、目につきやすい商品棚を県産日本酒コーナーとし、近日中に販売体制を整える。復興支援も兼ねて設置を決めた。
県内5蔵元の関係者も各店を訪れ、試飲を通して自慢の酒をアピールした。ランドマーク店オーナーのジェイムス・クムさんは「質の良い福島の酒がどうすればニューヨーカーに受けるのかを考え、販売していきたい」と約束。ユニオン店のワインディレクタージェシー・サラサーさんは「福島の酒に焦点を合わせることで支援したい」と述べた。
「アンテナ店」18年秋開設へ
内堀雅雄知事は30日、県産日本酒の輸出拡大に向け、県がニューヨーク市に県産日本酒に特化したアンテナショップ「ふくしまの酒チャレンジショップ(仮称)」を開設すると正式に発表した。マンハッタンでの今秋の開設を目指す。
県産酒のアンテナショップの開設は初めて。全国新酒鑑評会で金賞受賞銘柄数日本一に輝いた快挙を追い風に売り込みを強化し、「ふくしまの酒」の知名度向上とブランド化を目指す。
開設は半年程度で、その後は成果を踏まえて継続を検討する。店舗は商業施設やオフィスビルが立ち並び、チャイナタウンやリトルイタリーに近い地区にあるショッピングモール「カナル・ストリート・マーケット」の一角に構える予定だ。6畳ほどの広さがあり、奥の松酒造(二本松市)やほまれ酒造(喜多方市)など既に米国に輸出している県内10蔵元の酒を中心に取り扱う。
また輸出を希望する蔵元に、英語表記のラベルの製作や販売登録などの手続きを支援する。
内堀知事は同マーケットも視察し「県が先導を切って店をつくったり、既にある店に福島コーナーを設けることで、多くの県内蔵元がニューヨークで酒を売ることに積極的に取り組んでもらえるよう力を入れていきたい」と語った。
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