酒造りに最新通信技術 ドローンで稲生育分析、磐梯・実証実験

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遠隔地のモニター画面には上空からの田んぼの様子が映し出された

 2020年の商用化が見込まれる第5世代移動通信システム(5G)の酒造りへの活用を目指す総務省の実証実験が本格化している。酒造好適米を栽培する福島県磐梯町の田んぼで18日、ドローンで上空から田んぼ全体を撮影し、葉の色から刈り取り時期を判断する実験が行われた。

 実証実験は野村総合研究所が受託し、会津若松市などの協力を得ながら磐梯町の榮川酒造で行われている。酒造好適米の栽培や酒造り、配送、プロモーションという各工程に5Gを活用、新技術の確立や作業の省力化を目指す。

 この日の実験ではタブレット端末でも遠隔操作できるドローンを田んぼの上空に飛ばし、稲の生育状況を把握した。搭載したカメラの画像は少し離れた榮川酒造にリアルタイムで送られ、鮮明な画像を確認できた。

 画像を解析することで刈り取り時期や施肥時期の判断、病害虫の発見などに役立てられるが、さらに効果的な活用法を模索する。

 今後はもろみ管理のために仕込み中の酒のタンク上部から撮影、発泡量などを遠隔地で確認し、発泡音、温度変化なども遠隔監視して業務効率化に役立てる。記録をデータ化し、杜氏の経験や勘に頼っている部分をデータで補う手法を模索する。また、温度を感知できるタグを付けて配送し、適温管理を徹底する実験なども行う。

 榮川酒造の宮森優治取締役は「最終的な判断は社員や杜氏がすることに変わりはないが、日本酒のムラを少なくすることにも効果があるはずだ」と5G活用への期待を語った。