「首都圏の女性」発信!福島の日本酒 斬新な視点でファン獲得

 

 県産日本酒の販路や消費の拡大に向け、県は情報発信力が高い女性に狙いを絞ったPR戦略を展開する。流行に敏感な首都圏の女性が県内の酒蔵を巡るバスツアーを初めて企画。県産日本酒の魅力や伝統的な酒造りについて、参加した女性に斬新な視点で会員制交流サイト(SNS)などで発信してもらい、新たなファン獲得を目指す。

 県産日本酒は、全国新酒鑑評会で金賞受賞銘柄数6年連続日本一を達成した。県酒造協同組合によると、県産日本酒は高品質の評価を受ける一方、嗜好(しこう)の多様化や若者の酒離れ、食生活の変化などで出荷量は減少傾向にある。

 しかし、和食ブームを背景に日本酒への関心が国内外で高まる中、県はフェイスブックやツイッターなどSNSの利用が多く、商品のイメージアップも期待できる女性の情報発信力が県産日本酒のPRにつながると分析。県産日本酒の魅力に触れ、直接発信してもらおうと、バスツアーを企画した。

 8、9の両日に実施するツアーには一般公募による女性約30人が参加する。仁井田本家(郡山市)や奥の松酒造(二本松市)などの酒蔵を巡り、日本酒造りのプロから蔵元ごとの酒造りや味の特徴を学ぶ。また、郷土料理や旬のフルーツなどと日本酒を組み合わせた食事会も開き、日本酒との相性や県産食材の魅力も知ってもらう。

 宿泊場所は温泉施設で、日本酒、食、温泉を掛け合わせた本県観光の醍醐味(だいごみ)を体感してもらう。県観光交流課は「女性ならではの視点で本県の魅力を発信してもらいたい」としている。