土湯活性化へどぶろく、シードル醸造 川崎から移住の太田さん

 
どぶろくやシードル醸造を通じた地域活性化を誓う太田さん(右から3人目)

 川崎市から福島市に移住した太田泰さん(56)が、福島市の地域おこし協力隊員に委嘱された。太田さんは今後、同市土湯温泉町でどぶろくやシードルの醸造を通じた地域活性化に取り組む。同市の隊員は3人目。任期は最長3年。

 昨年8月に同市全域が「福島フルーツ〓(地(ぽんち)酒特区」に認定され、酒税法に定められる酒類製造免許の最低製造数量基準が緩和されたことを受け、土湯温泉町のまちづくり会社「元気アップつちゆ」がどぶろくやシードルを町の新たな特産品にしようと、醸造に向けて活動している。太田さんは同社と連携して活動に加わる。

 前職は文房具の卸売会社社員。会社員だった約半年前に、地方移住を支援するNPO法人ふるさと回帰支援センター(東京)で同町のどぶろくやシードル醸造の活動を知り、隊員になることを志願した。大玉村に両親がいることも移住を後押ししたという。

 約2週間前に引っ越してきた太田さんは「これまでは通勤ラッシュを避けるため朝6時半に家を出ていたが、今は徒歩7分の通勤になった」と笑みを浮かべ「土湯の立ち寄り湯や支所、郵便局の方など、地域の方がみんな優しくて親切」と同町の印象を語る。

 市役所で行われた辞令交付式で、木幡浩市長から辞令を受けた太田さんは「うまいものをつくるのはもとより、どぶろくやシードルが土湯に人が集まるツールになればと考えている。一日も早く地域に溶け込み、全力を尽くしたい」と意気込みを語った。

 【注】〓字は「盆」の右上に○の文字