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 【 〔がんと向き合う〕TOP
がんと向き合う
〔 1 〕 安斎幸夫 医師    
【 食道がん(上) 】
男性に多く、60代最多

 【疫学】食道がんの罹患(りかん)率の全国推定値は、人口10万人に対して男性8、女性2で圧倒的に男性に多い。  全国では年間約9000人が罹患しており、胃がんの10分の1の発生頻度です。年令は60代が最も多く患者さんの平均年令は64歳です。

 【福島市胃検診の状況】平成18年度に発見された食道がんは、受診者総数2万7745人のうち12人(0.04%)おられます。やはり福島市の胃検診においても食道がんと胃がんの比率では全国平均と同じで、胃がんの10分の1です。

 【飲酒・喫煙が最大のリスク】発生原因は不明ですが、危険因子(リスクファクター)として喫煙、飲酒、熱いものの飲食、家族因子などが挙げられます。特に毎日タバコ30本以上の喫煙と日本酒換算で1.5合以上飲酒をしている人は、非喫煙非飲酒者の40倍以上の発生率といわれ、喫煙量が増えるほどリスクは高くなります。最近注目されているバレット食道も長い経過のうちに食道がんを合併するリスクがあります。

 【バレット食道とは】本来、皮膚と同じ扁平(へんぺい)上皮であるはずの食道の粘膜が、逆流性食道炎が長く続くことで胃の粘膜に似た円柱上皮に変化します。これをバレット食道と呼んでいます。欧米ではバレット食道から発生する腺がんが多く、最近、日本においても注目されています。  症状表在がん((下)で詳細に記述しますが、がん浸潤が粘膜下層にとどまるもの)の場合は、約75%が無症状です。一方、進行がんとなると、つかえ感、狭窄(きょうさく)感、嚥下(えんげ)困難が生じます。逆流性食道炎やバレット食道の場合は胸焼けや胸部不快感があります。
(県医師会会員)
=次回掲載4月17日

 



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