減塩食と禁煙で予防を
「胃がん」で2005(平成17)年に死亡した人は5万人で肺がんに次いで多く、女性の死因の第1位です。胃がんにかかった人は約10万人で、最も遭遇しやすい「がん」と言えるでしょう。そこで、一般の人は日ごろどんなことに注意すればよいのでしょうか。
【こんな人は要注意】
(1)塩辛いものが好きな人…過度の塩分は胃の粘膜を荒らし、胃がんが発生しやすい。
(2)たばこを吸う人…たばこには40種類以上の発がん物質が含まれています。
(3)ヘリコバクター・ピロリ菌陽性者…胃の粘膜にピロリ菌がすみついている人は胃がんになりやすい。病院でピロリ菌の感染を調べることができます。
(4)飲酒する人…アルコールは一部の胃がん(胃の入り口のがん)のリスク要因です。
(5)親族に胃がんにかかった人がいる…胃がんが遺伝することは証明されていませんが、40歳以上は検査をした方がよいでしょう。
【胃がんにならないために】まず、減塩食、禁煙が大切です。次に、ピロリ菌に感染していたら医師と相談し、除菌しましょう。食生活は野菜、特に果物の摂取がおすすめです。ほかにビタミンC、緑黄色野菜に含まれるカロテノイド(トマトに含まれるリコピンなど)、ニンニク、緑茶(カテキンはピロリ菌を除去)などが胃がんの予防に有効です。
【早期発見するには】特に胃の表面の浅いところにある早期がんを見つけるには内視鏡が有効です。鼻から入れる細い内視鏡で検査を受けることも可能ですので、病院に問い合わせるのがよいでしょう。
大切なのは毎年、検査を受け続けることです。胃がんに特有の症状はなく、みぞおちの不快感、空腹時の腹痛、おなかが張るなどの症状があるときには精密検査をすすめます。
(県医師会会員)
=次回掲載5月15日
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