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 【 〔がんと向き合う〕TOP
がんと向き合う
〔 35 〕 今野修 医師    
【 胆嚢がん(中) 】
画像、血液で詳しく診断

 前回記載したような症状を感じたり、検診等での採血で肝機能障害を指摘され精密検査を勧められた時には、次のような画像診断やもっと詳しい血液検査を受けることが発見につながりますが、胆嚢たんのうがんを疑ってみることが重要になります。

 【超音波(エコー)検査】プローベという機械で超音波を発生させ、その反射波をみて胆嚢を観察する検査です。体表から診る検査は簡便で痛みもありませんが、より詳細に診ることのできる内視鏡エコー検査(内視鏡先端にプローベが付いています)は通常の内視鏡と同様の前処置が必要です。がんは胆嚢壁の異常な肥厚や盛り上がり、ポリープ様として描出されたりします。

 【CTスキャン(コンピューター断層撮影)】放射線を利用し体を輪切りにして見ることのできる検査で、造影剤という薬を点滴しながら検査をするとより診断能が上がります。腫瘤しゅりゅうの有無、それが良性のものか、がんが考えられるか(質的診断)や、がんの場合に周辺臓器への広がり(浸潤)、他の臓器への転移があるかなどが分かります。

 【核磁気共鳴検査(MRI)】造影剤を用いずに胆管や胆嚢の内部をきれいに描出することが可能であり(MRCP)、胆嚢がんに限らず胆管系や膵臓すいぞうの病気の診断に役立ちます。ただ、強い磁場に入って行う検査のため体内の金属の有無などで検査を受けられない方もいます。

 【内視鏡的逆行性胆道造影(ERC)】内視鏡を口から十二指腸まで挿入し、胆汁が分泌される出口(ファーター乳頭)から細いチューブを挿入、造影剤を注入して胆管から胆嚢を直接造影する検査です。MRCPより詳細な所見を得ることができます。

 【血液検査】一般的な肝機能検査等のほかに、さまざまながんに特異的な検査項目として各種の腫瘍しゅようマーカーという検査があります。胆嚢がんでは特に、CEAやCA19−9といったマーカーががんの進行程度に応じて上昇してくることがあり、診断の一助になります。
(県医師会員・福島市)
=次回掲載7月30日


 



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