【健康長寿・減塩(5)】無塩麺「おいしい」 ラーメン、学生が企画

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減塩ラーメンを試食する学生。若い世代からの減塩の取り組みが将来の健康長寿県につながっていく=福島学院大

 「無塩の麺の方が、スープが引き立つ。本当においしい」。福島市宮代の福島学院大の調理実習室に、短期大学部の学生たちの声が響いた。

 試食会で学生が味わったのは無塩の乾麺と減塩スープを素材にしたオリジナルラーメン。食べるまでは「健康よりもおいしさ」と話していた学生たちも、食べた途端に塩分控えめのラーメンに対する考えが変わった。「健康にも良くておいしいなら、減塩ラーメンを食べるべきだ」

 福島学院大のラーメン作りは、福島東郵便局の提案を受けて2016(平成28)年6月に始まった。主に短大部の学生が商品企画からパッケージ作りまでを担い、県北の伝統野菜「信夫冬菜」を使ったラーメンを完成させた。今年10月の学園祭で地域住民に披露し、郵便局のカタログ商品として販売予定だ。

 学生たちは、早くも第2弾の商品開発に着手。県などが県民運動として取り組む「健康寿命の延伸」に注目、減塩に付加価値を見いだした新たなオリジナルラーメン作りに挑む。

 試食会で提供された減塩ラーメンは、喜多方市の五十嵐製麺の試作品だ。調理した同社の伊東薫営業企画部長(59)は「減塩や糖質を減らす商品の需要は次第に増えている」と話す。伊東部長によると、通常は1食分に塩が2グラムほど含まれる麺を無塩で製麺、同じく4~6グラムほど含まれるスープは2グラム程度に減らした。

 県の昨年度の調査では、県民1日当たりの塩分摂取量は10.8グラム(男性11.8グラム、女性9.9グラム)で、国の目標値(男性8グラム未満、女性7グラム未満)を大きく上回った。世界保健機関(WHO)の目標はさらに厳しく「5グラム未満」だ。

 心疾患や脳血管疾患のリスクとなる高血圧や肥満、高脂血症などの予防に向け、麺とスープに使用する塩を計4グラム減らしたラーメンは健康を気遣う県民のニーズに合う。ラーメンプロジェクトを担当する同大の木村信綱准教授(38)は「試食を通して『減塩イコールおいしくない』ではないことが分かった。大学として意義のあるプロジェクトになる」と手応えを語る。

 若い世代の県民が減塩を考え、実践することが近い将来の本県の「健康長寿県」につながる。試食会には、ラーメンプロジェクトに当初から携わり、3月に短期大学部食物栄養学科を卒業した西山克博さん(20)も応援に駆け付けた。

 いわき市の児童養護施設で栄養士として勤務する西山さんは、減塩ラーメンから多くのことを学んだ。「塩を減らし、素材の味を生かす献立を考えてみたい。園長に相談し、子どもたちにも減塩ラーメンを食べさせてあげたい」