「65歳健康寿命」全国以下 福島県初公表、指標の悪さ浮き彫り

 

 県は17日、65歳を過ぎて要介護度2以上にならず、健康に過ごせる期間を算出した健康寿命の指標「お達者度」(2013年分)を59市町村別に初めて公表した。県平均の男性は17.01年、女性は20.35年で男女とも全国水準を下回り、県民の健康指標の悪さが改めて浮き彫りとなった。今後も調査を続け、各市町村の健康課題を明確化するほか市町村と連携した効果的な対策を打ち出し「健康長寿県」の実現を目指す。

 調査を担当した福島医大健康増進センターの宮崎真副センター長は要介護度2以上の不健康な期間について「市町村で差はほとんどないが、相双では長い傾向にある」と指摘した。今後震災前のお達者度を算出、震災による健康影響の有無などを科学的に検証する。

 県は要介護度2以上の期間を、65歳時の平均余命から差し引いた期間を「お達者度」とした。12~14年の推計人口や死亡数、要介護認定者数などを基に算出。男性は0.44年、女性は0.2年、全国を下回った。平均余命も併せて発表し、男性は18.65年で全国より0.43年短く、女性は23.79年で同0.18年短かった。

 人口一定規模(1万2000人)以上の27市町村で比較すると、お達者度が最も長いのは男性が三春町18.07年で女性が南相馬市21.49年。最も短かったのは男女とも西郷村で男性15.77年、女性18.95年だった。

 「不健康な期間」が最も長かったのは男女とも富岡町で男性2.13年、女性4.75年。最も短かったのは男女ともいわき市で男性1.16年、女性2.33年だった。人口1万2000人未満の32町村について県は「わずかな死亡数の違いで数値が大きく変動する」との理由で比較対象にしていない。

 宮崎氏は「各市町村で何が問題となっているか、経年的に調査して明らかにする必要がある。新たな健康データの一つとして活用してほしい」と強調した。