「お達者度」予防へ数字活用 65歳県民、長期調査で原因分析へ

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 要介護度2以上にならず、健康に過ごせる期間を算出した65歳の県民の「お達者度」が初めて示された。詳しい分析には長期的な調査が必要だが、県庁で17日に記者会見した福島医大健康増進センターの宮崎真副センター長は「自治体の状況を知ることで次につながる」と述べ、市町村の健康対策を県と一体で進める考えを強調した。

 県は65歳の県民を対象に「お達者度」「余命」、要介護度2以上の「不健康な期間」「健康な期間が余命に占める割合」を示した。健康な期間が余命に占める割合を2次医療圏別で見ると、会津・南会津やいわきでやや長く、相双で短めという傾向となった。

 宮崎氏は「お達者度(年)の長い地域は要介護度2以上の認定者が少ないことや、認定される年齢が高いことが想定される」と指摘。その上で「お達者度は地域の要介護度の状況を結果として見ており、原因分析にはさらに詳細な検討を加える必要がある」としている。

 また、お達者度を見る際には、ほかに余命や不健康な期間を注視する必要もあると指摘。市町村に向けては「不健康な期間を短くするには予防活動を、余命については死亡の原因を洗い直して延ばすことが重要。市町村ごとに、どちらに重みがあるか。特徴を知るヒントになる」とした上で「順位付けや優劣を付けるものではない。住民の健康のために数字をどう活用するかという文化をつくることが大切」と語った。

 三春・社会参加大きな要因、南相馬・筋力訓練に取り組む

 「お達者度」の公表を受け、県内の市町村は詳しい分析を踏まえた上で健康対策を進める。

 人口1万2000人以上の27市町村のうち、男性のお達者度が最も長かった三春町では「いきいき百歳体操」の取り組みが盛んだ。住民が週1回公民館などに集まり、1時間ほど体操する。町によると、町内ではまちづくり組織が充実しており、定年後も活動できる場が多い。町は「健康寿命を延ばすには社会参加が大きな要因になる」と強調する。

 女性のお達者度が最も長い南相馬市では、高齢者が筋力トレーニングに励む事業に取り組んでいる。ただ市は「要介護度2以下の高齢者が多いのは事実」とし、市民の平均余命を延ばすため、運動習慣の推進や歯の健康を保つ教室などを開く予定だ。

 一方、お達者度が最も短かった西郷村は、特別養護老人ホームや病院などを備えた全国有数の総合社会福祉施設「太陽の国」の影響もあると推察し「詳しく分析していきたい」とした。

 また、要介護度2以上の「不健康な期間」が男女とも最も長かった富岡町は「震災後、介護サービスの利用者が増えている」と指摘。健康状態や避難先の状況などが考えられるとし「震災前と比べ状況を見極める必要がある」と話した。