福島県の子ども...「肥満」深刻 男女6年齢で全国ワースト1位

 

 県内で肥満傾向にある子ども(5~17歳)の割合が全国平均を上回り、依然として高水準にあることが22日、文部科学省の本年度学校保健統計調査(速報値)で分かった。男子の5、8、10歳と女子の5、11、14歳で全国ワースト1位となるなど一部悪化もみられ、東日本大震災後と東京電力福島第1原発事故後に続く子どもの肥満傾向の深刻な実態が浮き彫りとなった。

 男子は8~13歳と15~16歳で10%超、特に10歳は19.48%に上り、5人に1人が肥満傾向にある状況がみられた。女子は8歳と10~16歳で2桁となり、11歳が14.05%と最も高かった。

 本県の子どもは震災前から、全国平均よりも肥満傾向が高い傾向にあった。震災後、原発事故の影響で屋外活動が制限されたことや避難生活など環境の変化に伴う食習慣の乱れなどから肥満傾向児の割合がさらに上昇した。この状況を受け、県教委は、児童、生徒が体重や食生活などの自己管理に役立てる「自分手帳」の導入や、体育の授業への専門家派遣など子どもの肥満防止対策を強化。一時改善の兆しがみられたが、再び悪化傾向が目立っている。

 4~6月に実施した健康診断に基づいた抽出調査で、幼稚園、小、中学、高校に在籍する20万5075人のうち1万4024人を対象に調査した。

 「虫歯」全国平均上回る

 県内で虫歯のある子どもの割合は幼稚園、小、中学、高校の全てで前年度より減少したが、全国平均と比べると全て上回り、小学校は58.9%、高校は57.2%と約6割に上った。幼稚園は42.7%、中学校は46.1%。