10市町村で指標改善事業 福島県と医大連携、課題分析

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 急性心筋梗塞による死亡率が全国ワースト1位になるなど県民の健康指標が悪化している現状を踏まえ、県はモデル市町村に選んだ県内10市町村で、糖尿病や肥満などの改善事業を実践する。指標の改善効果が実証された取り組みについては新年度以降、県全域へ普及させたい考えだ。事業の実施内容は福島医大の健康増進センターと連携し、市町村が抱える健康課題の要因を分析した上で提案する。

これまで市町村が行ってきた健康事業を検証し、医学的根拠に基づいた対策で地域間の健康格差縮小につなげる。モデルは白河、南相馬、川俣、石川、古殿、塙、泉崎、西会津、猪苗代、楢葉の10市町村で、事業の進捗(しんちょく)状況は【表】の通り。

「糖尿病対策の評価」「メタボリック症候群の割合の高さの検証」など市町村から要望があった項目について、保健や医療、福祉に関するデータなどを基に福島医大のセンターが解析を進める。

 このうち県が石川町に提案する実施事業が具体化してきた。町では子どもの肥満度が高い傾向にあることから、子どもや家族の食行動の分析を優先的に行う。福島医大のセンターは家庭での食行動を調査するアンケートなどを実施し、家族の健診結果を分析する。

 来年2月には町内の小学4~6年生と保護者を対象とした運動教室を開き、手軽にできる運動や野菜を多く使った「ヘルシーメニュー」の作り方を提案し、アンケート結果も報告する。

 このほか、白河市では糖尿病対策事業の効果の検証、南相馬市では健診項目となっている1日推定塩分摂取量に基づく保健指導の効果などを分析中だ。

 健康対策を巡り県は、病気が重症化する前に生活習慣を改善する「予防」の取り組みが重要とする。そのため市町村が定期的に実施する健診のデータなどが鍵となるが、健診の実施主体が市町村という事情から「市町村ごとの分析に対する県の踏み込みが浅かった」(健康増進課)との反省もあり、県は地域の健康課題の把握に本腰を入れて取り組む構えだ。

 県はモデル市町村での取り組みを基に、全県的に健康対策を展開することも検討。市町村に提案する健康対策については、企業が実施している「健康経営」の取り組みも参考にする。

 県は「民間の興味深い健康づくりを提案することで住民の参加意欲を高め、地域に健康増進の文化を根付かせていきたい」としている。