【健康長寿・運動不足(3)】女性もスポーツを 優先順位上げる必要

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 「育児をしていて体力が落ちているのを感じる。運動しなければ、と思うけど日常生活の中で運動をする時間の優先順位は低い」

 福島市の公務員の女性(34)は、自宅で6カ月の長男を抱きながら、多くの女性の思いを代弁する。小学生で始めたバスケットボールを大学卒業まで続けた。スポーツは大好きだが、就職、結婚、妊娠、出産と経験する中、運動する時間は次第に減少していった。「母親の健康が大切なことは分かるけど...」。健康維持のための運動習慣の難しさを実感している。

 厚生労働省がまとめた2016(平成28)年度の国民健康・栄養調査によると、運動習慣のある人の割合は男性35.1%、女性27.4%で、女性が男性と比べて8ポイントほど低い。10年間の推移で比べた場合、男性に目立った増減は見られないが、女性は減少傾向が続く。年齢別にみると、30代女性は9.8%と、男女を通じた全世代で最も低い。

 社会的要因で減少

 背景には妊娠、出産など女性特有の要因に加え、介護の負担など運動習慣が低下する社会的要因がある。また、中高年の女性に多い健康問題として、骨粗しょう症と運動習慣との関連が指摘されている。

 県民の健康指標改善に向けては、女性を取り巻く環境をいかに改善し、運動習慣を普及できるかが問われている。「整体で教わった産後専用の筋トレなど簡単な運動を続けているけれど、こうした運動の考案や女性への普及が何よりも大切に思える」。女性は行政へと期待する。

 楽しさ少ない部活動

 女性の運動時間が低下する要因について、社会的要因のほかに、多くの女性が部活動を引退して中学校や高校を卒業すると、スポーツ、運動から離れていく現状に問題の根幹を指摘する声もある。

 「『スポーツ=部活』は負の側面。これが日本の女性のスポーツ離れを引き起こしている」。米スポーツ用品大手「アンダーアーマー」の国内総代理店、ドーム(東京都)の岡英代スポーツマーケティング部第4チームリーダー(36)は分析する。

 岡氏によると、日本と米国の女性のスポーツ参加率を比べると「16~19歳」は互いに40%だが、「20~24歳」は米国の50%超に対し、日本は10%程度まで極端に下降する。日本の部活ではスポーツの「きつさ」や「つらさ」が先行し、「楽しさ」が取り残されているように映る。

 「部活の指導者は、米国のように練習法や生徒の髪形、服装などに女性の個性を尊重すべきだ」。岡氏は学校での部活動の改善の先に、日本の女性の運動習慣の定着をみる。