【健康長寿・運動不足(4)】歩行は姿勢と歩幅 格段に違う運動効果

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藪下トレーナー(左)から歩行のポイントを教わる参加者=2月、石川町総合体育館

 「こんなに歩幅が変わるなんて、すごい」。講座の終盤、町民から歓声が上がった。石川町で1月から始まった「いしかわ健康大学」。町内50~60代の26人が、スポーツクラブ「ルネサンス」から派遣される専門講師の指導で「地域の健康づくりリーダー」を目指して運動に励んでいる。

 この日のテーマは「効果的なウオーキング」。講師を務めるルネサンス郡山のフィットネストレーナー藪下清人さん(42)は「歩くときは『姿勢』と『歩幅』に注意を払ってほしい」と話す。

 意識することが大切

 最初に行ったのは、何も意識せずに10メートルを歩き、普段の歩数を覚えておく。続いて姿勢の確認。耳たぶ、肩、腰、膝、くるぶしの片側5カ所に付箋を貼る。この五つが横から見て、一直線になると正しい姿勢になる。猫背だと肩が少し前に出る。自分の姿勢のくせを知れば、意識がそこに向くので改善につながる。

 次は腕振りの練習。腕をしっかり振ると体を大きく動かせる。脇を締めて肘は90度に曲げ、前ではなく後ろに振ることを意識する。「単純な動きだが、これだけでも体がぽかぽかして十分運動になる」と藪下さん。

 最後は歩行の実技。ポイントは〈1〉視線は真正面〈2〉肘を後ろに振る〈3〉肩や腰が床と平行(骨盤を動かさない)〈4〉歩幅を大きく〈5〉かかとから着地してつま先で蹴り出す―の五つ。参加者は最初は戸惑っていたが、10メートルの往復をしばらく繰り返していると「最初より2歩も減った」「17歩が12歩になった」と驚きの声が上がった。

 滝川ハルイさん(64)が受講する目的は「筋力アップ」だ。「いつも何でもない場所で、つまずいてしまう。だから筋肉を付けたくて、運動の基礎を教わりたいと思った」。添田京子さん(67)は「楽しくて役に立った。いい運動になる」と講座を振り返る。「この歩き方をこのまま続けていきたい」と晴れやかだ。

 お年寄りに役立て

 民生委員を務める添田さんは「自分の健康も気になるが、知識を得てお年寄りたちのために役立てたい」と話す。「家からあまり外に出ない高齢者の健康が気になる。月に1度、お年寄りが集まるイベントで、学んだことを生かしたい」

 藪下トレーナーによると歩幅の目安は「身長×0.37」で、痩せるための歩幅は「身長×0.45」が必要。身長170センチなら約63センチが目安となり、かなり大股を意識しなければならない。「正しい姿勢で歩幅を広げれば、肘が振れて肩甲骨も動き、消費カロリーが変わってくる。シンプルな心掛けだが、普段から意識をすれば運動効果やけが予防にもつながる。上手に日常生活に取り入れてほしい」