「高齢者」自立へ地域拠点整備 介護予防など自らも活動に参加

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 人口減少に伴う県民の高齢化率の上昇を踏まえ、県は新年度、高齢者の自立支援に向けた地域の拠点整備に着手する。高齢者世帯へ配食など生活支援サービスを提供し、高齢者を含めた住民主体の運営とする。高齢者自身が支援に携わることで介護予防や生きがいづくりにつなげ、地域で支え合える社会を目指す。

 拠点には、高齢者向けに地域で体操教室を開いている「通いの場」を活用。47市町村に計1358カ所ある通いの場のうち、体操教室を週1回以上、実施している399カ所を対象とする。まず市町村6カ所をモデル地区に選んで取り組み、実績を踏まえて他市町村にも展開する考えだ。

 県は拠点整備に必要な人材を育成するため、8月と11月に市町村や地域包括支援センターの職員を対象とした研修会を開く。住民主体の介護予防事業で先進的な大阪府大東市の担当者を講師に招く。

 支援の内容は、高齢者世帯を直接訪ねて食事を作ったり、掃除やごみ出しなどを行う想定。1人暮らし高齢者世帯の見守りも兼ね、支援が必要な高齢者を把握した場合、関係機関につなぐ役割も担う。活動を行った人には報酬を支払うことも検討する。

 2017(平成29)年10月現在、65歳以上の県民は56万5037人。総人口に占める割合(高齢化率)は29.4%で全国平均を1.6ポイント上回っている。

 県の推計では、団塊の世代が75歳以上となる2025年の高齢化率は34.5%にまで上昇する見込みで、介護保険料や医療費抑制などが課題となる。

 さらに本県では、震災と原発事故後、いわき市を含む浜通り13市町村の要介護(要支援)認定者数が震災前の1.3倍に増加。仮設住宅への避難で体を動かす機会が減少したことが要因とみられ、介護予防の取り組みが重要となっている。

 県は新たに整備する拠点を核に、住民主体の自発的な介護予防活動を全県に浸透させたい考えで、「地域の高齢者が自ら活動に参加し、自然と介護予防が推進される地域を目指す」(高齢福祉課)としている。