健康寿命「お達者度」福島県伸び低調 男性0.78年、女性0.63年

 

 県は20日、65歳を過ぎて要介護度2以上にならず、健康に過ごせる期間を算出した健康寿命の指標「お達者度」の2016年分と13年分の比較を59市町村別で発表した。16年分の県平均は、男性17.14年、女性20.31年。男性は0.30年、女性は0.05年の伸びにとどまり、13年分に続き全国平均を下回る結果で健康指標の改善が課題となった。

 全国平均に比べ、県平均は男性0.78年、女性0.63年下回った。平均余命も男性は18.77年で全国より0.78年短く、女性は23.63年で0.76年短かった。

 人口一定規模(1万2000人)以上の27市町村で、お達者度が最も長いのは、男性が三春町の18.57年、女性は鏡石町の21.49年。三春町は13年分に続き男性で最長。自治活動が活発で、男性が定年後も活躍できる場面が多いことなどが要因とみられる。

 一方、お達者度が最も短かったのは男性がいわき市の16.20年、女性は西郷村の19.16年。西郷村は13年分で男女ともに最も短かったが、男性は1.26年伸びた。西郷村は健康講座などを実施しているが、詳しい要因は不明としている。

 お達者度の伸び幅の最大は、男性が桑折町の1.36年、女性は白河市の0.81年。減少幅の最大は男性が猪苗代町の0.56年、女性は石川町の0.82年だった。

 調査した福島医大健康増進センターは、平均余命の伸びを上回りお達者度が延伸した健康な自治体として、男性は郡山、田村、南相馬、桑折、矢祭、新地の6市町、女性は郡山、田村、南相馬、国見、古殿、大熊、新地の7市町を挙げた。

 同センターの大平哲也副センター長は「メタボリック症候群の治療者の割合が増え、血圧や悪玉コレステロールの平均値が改善されたことが考えられる」と分析。県などは年度内に59市町村の検診データなどを盛り込んだ「県版健康データベース」を構築し、お達者度との関連を分析した上で、対策を検討する。